「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 6月1日(火) 晴れ

北東の風 おだやか 水温26度

 6月になった途端に、久しぶりに晴れ渡る青空。
 午前中は海も穏やかで、完璧な梅雨の中休みだ。

 海中もすっかり夏モードになりつつあった。「夏の水」がドドンと押し寄せていた午前中は、見渡すかぎりの透明な青、遠くをゆったり泳ぐアオウミガメのチビ、降り注ぐ太陽の光………。
 一枚の絵葉書のようにさえ見えた。

 水温も一気に26度を示しているこの夏の青い水、潮が引き始めるとともにところどころに24度の濁った水がまだら状に混入し始めたとはいえ、この先冷たい水はどんどん下方に押し流され、浅海は夏の水に支配されていくことだろう。

 身を包まれているだけでなんだかシアワセになるそんな海中で、今日もやっぱりチビターレ。

 やはりこの時期には随所で目立つアマミスズメダイのチビチビ。額のV字ラインがカッコイイ。

 この季節、大人はそこかしこでオスがメスに猛烈にアピールしている姿が観られるフタイロカエルウオだけれど、子供たちはいたってのどかに過ごしている。

 のどかといえば、ウツボたちも心地良さそうだった。<チビじゃないけど。

 アカシマシラヒゲエビのクリーニングは、まぁ一般的に見られるシーン。
 でもこっちはそうそう観られない。

 オトヒメエビは気ままなクリーナーなので、滅多にその気になってくれない。彼らがウツボの口に乗っかっている姿を観る機会は少ない。
 やはり、一気に水温が暖かくなって、オトヒメエビもちょっぴり浮かれていたのだろう。

 ところで、昨日今日とたてつづけに灯台付近に潜ったところ、ふと気がついたことがある。
 みなさんご存知のヒメゴンベ、昨日今日目にするモノのほとんどが、このタイプだったのだ。

 一般的に……なのかどうかはわからないけど、我々がフツーにヒメゴンベと認識している姿は、こういう体色のモノ。

 微妙な違い、おわかりいただけますか??
 上のほうが、赤黄が増して全体的に赤っぽいでしょ。

 これ、ずっと環境によるタイプの違いだと認識していた。赤っぽいほうは、ドロップオフといった比較的流れが強くかかるリーフにいるものなのだと。
 ところが数の割合に差こそあれ、どちらも同じ場所で観られたし、どちらかというと「フツー」のものが多いと思っていた場所で、赤っぽい方が多かった。

 ひょっとして、この時期ならではの婚姻色??

 ……と思ったら、2センチくらいの小さいものも赤っぽい色をしていた。
 ということは……。

 やっぱり、夏を迎えてウキウキしているときの色なのだろうか?

 たしかに、昨年同時期に別の砂地のポイントで撮ったヒメゴンベも赤っぽい。
 盛夏になったら、再びこの場所にてヒメゴンベたちの体色をじっくり眺めてみることにしよう。