「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 6月11日(金) 嵐

南東の風 徐々に荒れ模様 水温24〜25度

 哀れなタコ主任、その後どうなったのか気になってしょうがないという、全国3人くらいの方々のために、その後のタコ主任。

 ハウジングの裏蓋を交換してしまったがために、絵に描いたような水没に見舞われたタコ主任は、その反省を活かし、ちゃんとしたセットにしてこの日一本目を迎えた。

 ソロリソロリと潜降するタコ主任。
 おお、どうやら水没は免れたようだ!!

 オンオフのスイッチがないから、あらかじめカメラの電源をオンにしておくのも忘れなかった。
 フィルムもキチンと交換されている。
 ストロボの電池もOK。

 ああ、しかし!!

 ピックアップファインダーの取り外しを忘れていたのだった……。

 海中ではカメラをハウジングに入れた状態で、なおかつマスク越しにファインダーを覗くことになるため、通常のファインダーのままだと極端に小さく、狭くなる。
 その問題を多少解消するため、カメラのファインダーに取り付けるようになっているのが、ピックアップファインダーだ。
 で、本来はハウジングの裏蓋にもそのレンズに対応するレンズが入っているので、マスク越し、ハウジングの空間越しにファインダーを覗いても、わりと大きな視野が確保される、という仕組み。

 ところが、緊急使用しているこの日のハウジングは旧タイプのものなので、当然ながら裏蓋にはピックアップファインダーに対応するレンズはついていない。
 二人で一人バロムワンのところ、レンズが片方だけとなると、当然ながら変身できない。ピタリとファインダーに目を寄せても、まったく焦点が合わないのである。

 ああ、せっかく水没を免れたというのに……。

 けれど一つだけ方法があった。
 腕を伸ばしてカメラを遠ざければ、焦点が合う!!

 というわけで、まるで老眼紳士が新聞を読むようなポーズで写真を撮り続けるタコ主任。<チョーまぬけな姿。

 10円玉くらいの丸いパーツを取り外してさえいれば、そんな目に遭わなかったのにねぇ……。

 そして1本目の反省を活かし、ちゃんとピックアップファインダーを取り外して臨んだ2本目。滞在3日目、ダイビング4本目にして、ようやく「通常」のダイビングができたのだった。

 が。

 大嵐。
 さすが、嵐を呼ぶ男。これが北風だったらとてもじゃないけど船など出さないくらいの強風、そして雨。

 晴れ渡る空の下では水没、ちゃんと撮れた日は大嵐。
 はたしてタコ主任にシアワセは訪れるのか??

 それとはまったく関係なく、個人的な今日のヒット。

 ルリホシスズメダイのチビターレ。
 これくらいのサイズのチビチビは、今の季節しか観られない。盛夏に観たいと思っても、もうすっかり成長しているのだ。

 しかし今観られるからといって、老眼紳士ファインダーでは絶対に撮れないことはいうまでもない。