「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 6月23日(水) 雨

南の風 おだやか 水温27度

 梅雨に戻ってしまったかのような一日だった。
 梅雨が明けた!と安心して沖縄にやってきた観光客の皆さんは、随分面食らったことだろう。

 すべては普段の行いのなせるワザ。

 そんな雨の中、今日はとっておきのニュースがあるんだけど、そのメインイベントは明日なので、ネタは翌日にとっておく。

 というわけで、今日は本日の出来事とは関係なく、今月初めからついに導入されたニューストロボの弱点を。

 ご存知のとおり、新兵器は光接続のストロボ。電気信号で発光するシステムだったこれまでのストロボとは違い、光ファイバーを経由するスレーブ発光、つまり、光を感知してから光るシステムになっている。

 そのためには、カメラ本体の内臓ストロボを光らせなければならない。

 となると、カメラ自体のバッテリー消耗が早くなるだろうし、信用度という意味では電気接続のほうがいい。
 だから本当はどちらの方法でも選択できる製品にしたかったのだけれど、予算の都合で仕方なく光接続のみのものにした次第。

 ずっとマニュアルで使っていた従来のSB−105に比べ、新兵器のSTTLという、シャッターを押すだけでサルでもストロボの露出が合う性能は申し分なく、これまでなら必要な種々の操作でことごとく逃していたであろうシャッターチャンスを逃すことがかなり減った(そのかわり、目を凝らしてみてもピントが合っているのかどうかわからないという、年齢的問題で逃すことが増えた……)。

 が、万能に見える新兵器にも大きな弱点が。
 
STTLというのは、被写体までの距離その他をストロボが独自に測定して光量を決定するらしいのだが、そのためには、シャッターが切れる前に一度プレ発光をして実測するというプロセスがある。
 それは、我々ヒトの目から見れば一瞬のことで、とてもじゃないけど2度光っているようには見えず、閃光は1度にしか見えない。
 しかし。
 ゾウの時間、ネズミの時間。
 魚たちにとっての万分の
1秒という時間は、自然界で生き延びるためにはこれっぽっちもボーッとはしていられない長大な時間になるのだ。

 また、シャッターレバーを押すと、プレ発光後にシャッターが切れることになるから、わずかながらも多少の時差ができる。
 そのため、魚たちのアクビを撮りたい場合は、アクビで口が全開になる前にシャッターを押さないと、ストロボが光った頃には口が全開じゃない状態になってしまう。

 したがって、アクビをするのを待ち構える場合、アクビをし始めたタイミングでシャッターボタンを押す。

 するとこういうことになる。

 測定用のプレ発光に反応して、ピュッと逃げてしまうのだ。
 その反応速度たるや、赤い彗星の比ではない。 

 泳いでいる魚の正面顔を撮ろうとしても、プレ発光の段階でピュッと身を翻してしまうため、写った写真は真横の姿、ということもしばしば。

 うーむ…………。

 全部が全部そうなるわけではないにしろ、自分では完璧なタイミング!!と思ったものがこうなってしまうのはつらい。
 え?ひょっとしてストロボのせいじゃなくて齢のせい??

 まぁ、もしストロボのせいだったら、マニュアル操作にすればTTLのためのプレ発光はなくなるはずだからなんとかなる。でもそうすると、「チャンスを逃さない」ための性能が使えなくなる……というジレンマがあるのだった。

 一方、ジレンマだけではすまないのがワイドレンズのためのドームポート。
 デジイチ用のフィッシュアイは昨年買ったものの、それ専用のドームポートはあまりにも高いのでまだ手が出せない(ただのガラスのフタが10万円ですぜ、10万円)。

 仕方なく、従来の傷だらけのドームポートを使っている。
 このドームポート、従来のストロボのままだったら、不満はあっても不備はなかったのに、新兵器ストロボになって、その弱点が発覚してしまった。
 部屋の中の暗いところに向けて、外側のストロボを発光させずにシャッターを切ると、こうなってしまうのだ。

 そう、光接続のために発光する内臓ストロボの光が、内側からポートに当たってしまう、もしくは外に突き抜けるわけだ。

 きっとそれを防ぐための製品も出ているのだろうけど、例によってバカ高いだろうし、そもそも翌日使おうというのに間に合わない。
 うーむ……どうすればいいか。

 考えること3分、その場にたまたまあった黒画用紙をハサミで切って、幼稚園児の工作なみの遮光板を自作。同じように、室内に向けてシャッターを押してみた。
 すると……

 大成功!!(右側がちょっと漏れてるけど……)

 それにしても、何十万もするオモチャの不備対策が画用紙って………。
 まぁ、昔からバカとハサミは使いようって言うからなぁ……。