「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 7月14日(水) 晴れ

南の風 やや波あり 水温28度

 このところ、何年かぶりにグルクンのチビチビがたくさん根についている。

 本来スカテンが覆うべきところを、小さなグルクンたちが占拠しているのだ。
 もっとも、スカテンにしろグルクンのチビたちにしろ、アフリカのサバンナでいうならヌーみたいな存在なので、毎日のようにその身を捕食者の襲撃という危険にさらし続けている。


グルクンチビたちを狙うカスミアジ編隊の急降下爆撃

 そんな数々の危機を乗り越え、生き残ったものたちだけが…………

 ………唐揚げとなって沖縄の食卓に出てくるのである。
 うーん、なんだかカナシイ。

 それにしてもこんなにドドッと増えるこのグルクンたち、大人はどうやって産卵しているのだろうか??

 産卵・繁殖といえば、この季節はモンガラ類の卵保育。
 キヘリモンガラやゴマモンガラ、アカモンガラやクロモンガラなどなどいろいろいるなかで、やっぱり絵になるのはモンガラカワハギ。


口元下の黄色っぽいスポンジ状のものが卵


卵のアップ(線内)

 これまで、ゲストをご案内中に目にしたことは何度もあるものの、ちゃんとしたカメラを手にしているときに卵保育シーンに出会ったのは初めてだった。

 この卵が4、5日くらいあり続けてくれていれば、見つけた翌日にでも撮りに行くという方法もありえるところながら、彼らモンガラ類は朝産んでその日の夕刻には孵化するという、なんとも慌しい周期になっている。
 次の日では遅すぎるのだ。

 …といいつつ、本当に半日で孵化するのかどうか、研究者の方からお聞きしただけで、実際に観察し続けたわけではない。だから、春先の広島カープの「首位」と同じくらい、半信半疑ではあった。

 産んだばかりっぽいこんなに鮮やかな黄色の卵が、同日夕刻には孵化してしまうだなんて………………本当なのか?

 というわけで、前日と同じ場所に潜る機会があったので、昨日見たモンガラカワハギの卵を確かめにいってみた。
 はたしてモンガラカワハギの卵は………

 跡形もなかった。
 やっぱり半日で孵化するんだ………。

 …と、ややアカデミックな調査に励んでいる間に、ペプシマンは見事にタケノコ姫を海中に導いていた。

 タケノコ姫から人魚姫へ!?

 思い起こせば、彼が初めてクロワッサンにドレイに来てくれたとき、ついに自分とひと周りも齢の離れた後輩が大学生になっているのか……と感慨もひとしおだった。

 そしていつのまにか時は流れ……。

 元ドレイ君がこうしてお嫁さんを連れて遊びに来るようになった一方で、今年入学している1年生は、実にふた周りも齢が離れているのであった。

 ウーム…………そろそろ自覚せねばなるまい。<何を??