「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 9月4日(土) 曇り時々雨

南東の風 台風 

 強風域のみで推移する台風は、まことに心が落ち着く。
 ま、本来得られるはずだった売り上げのことを考えると落ち着いてばかりもいられないんだけど、こればっかりは仕方がない。
 「自然」とは、台風も含めてこそなのだから。

 そうはいっても、束の間の休日を台風に蹴散らされた観光客の皆さんにとっては、台風などなくなってしまえってところだろう。

 たしかにこの一週間は台風フィーバーだ。
 まるで、シーズン終了間際に辻褄を合わせる一昔前の助っ人外人のような、今さらながらの乱れ打ち状態。台風が来ない来ないと言っていたほんの2週間前がウソのようだ。

 そんな今さらながらの台風の被害に遭った方の中に、この方々がいる。

 ご存知、ごっくん隊リーダーT沢さん。
 昨年は春に都内でお会いしたものの、ご来島は2年ぶり。そしてついにご子息も水納島デビュー!!

 そこへ隊長H田さんの華麗なるジャンプ!!

 そう、この日の夜は、久しぶりにごっくん隊のお二人が揃い踏みする予定だったのに…………まさかこのあと、あんなことになるなんて、誰が予想しえたろうか。

 この日ご到着だったリーダーT沢さんは、取るものもとりあえずダイビング!!状態。
 台風接近が報じられる中、連絡船もどうにか翌朝島から出る便はOKということだったから、すべてを今日この日に賭けておられた。

 が。

 台風の速度がグーンとアップ。
 連絡船は、今年二度目のトワイライト水納丸になってしまった。

 その出航予定時刻は午後7時。
 ああしかし!
 この日6時からティーダでビールタイムと伝えてあったにもかかわらず、久しぶりの水納島を味わいつくそうとしていたリーダーは、6時を過ぎてもなお、ビーチの海中に。

 ようやく水面から頭を出したリーダーに、我々は非情の通告をしなければならないのであった。

 上の写真での満面の笑み、そしてさあこれからビールだ、酒だ!!というモードで浮上してきたリーダーT沢さんである。その悲嘆、推して知るべし。

 隊長は前日からご滞在だったので、前夜は久しぶりにその口笛を聴かせていただけたとはいえ、2年ぶりの島でお二人揃っての「ごっくん」モードは、ついに実現しなかった。

 ……もし実現していたら、今頃我々は死んでいたかもしれないけど。
 そういう意味では、台風は我々にとって救いの神なのかもしれない!?

 この日、異常に密度高く群れていたミズンたちだけが、冷静に台風の接近を予想していたのかもしれない……。