「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 9月22日(水) 晴れ

無風 べた凪ぎ 水温28度

 先の台風後は、それなりにおだやかな海況だったものの、島の西側には、サーファーなら黙ってはいられないに違いない強烈なうねりが押し寄せていた。

 毎回ビッグウェンズデー状態。

 間近で眺めるビッグウェンズデーは強烈で、よくもまぁ、こんな波の下でお魚さんたちは生きていられるなぁと感心してしまう。

 今日はそんなうねりもおさまって、おまけにほぼ無風状態。海面は鏡のように滑らかになり、日差しが海底に燦燦と降り注いでいた。

 そんな2本目の終盤、いつものようにフリータイムにしているとき、リーフの上で、テングカワハギが5匹も集合しているのをうちの奥さんが見つけた。

 ついに集団になるシーンも観られ始めたのだ。

 ご存知のとおり、僕はガイド中にはたとえコンデジであれカメラの類を携行することはない………いや、滅多にない。
 でもうちの奥さんは、有効に使われるケースは極めて稀ながら、いつも腰にコンデジをぶら下げている。
 フリータイムでもあることだし、そのコンデジを奪い去って、さっそくその5匹のテングカワハギを激写…………

 ……したかったのだが、いかんせんそこはコンデジ、なかなか思うように撮れない。
 そもそもデジイチでさえキチンと撮ることができないのに、シャッターを押すタイムラグが大きいコンデジで満足に撮るのは相当ムツカシイ。

 気がつくと周囲にゲストがいなくなっていたので、僕もそろそろ船に戻ろうとすると…………

 カメがいた。
 このごろよく見かけるフレンドリーなアオウミガメ・チビだ。
 フレンドリーなアオウミガメがいる。そして手にはカメラがある。

 ここで撮らずにどこで撮る。

 そしてパシャ。

 さすがフレンドリー君、近寄っても急ぎ足で逃げたりはせず、ランデブーを楽しませてくれた。

 べた凪ぎの海面ならではの降り注ぐ陽光。
 ああ、海って素晴らしい…………。

 コンデジって、テングカワハギの群れを撮るのは至難のワザだけど、逆光シルエットの写真では最も威力を発揮するのだった。

 さてさて、こんな「夏」ともどうやら今日でお別れらしい。
 明日からはしばらく北風にさらされる日々がくるようだ。船上で震える日も近い………?