「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 9月28日(火) 晴れ

北の風 まだうねりあり 水温27度

 いちいち細かく見ていないので最近まで知らなかったのだけど、いわゆる事業仕分けという民主党政権の目玉イベントのなかで、国道の除草作業予算がかなり割愛されたらしい。

 たしかに一部地域では目に余るような無駄な状況があったかもしれない。でも、なんでそれを全国一律にしてしまうのだろうか。
 沖縄では冬になっても草が枯れない、という事情を知っているのか。

 生長が早い、冬になっても枯れない、そんな環境で草刈りの回数が減れば、国道沿いは常時草ぼうぼうになるのが目に見えている。

 いっそのこと路肩から法面から何から、すべてアスファルトで埋めてしまえば雑草の問題はなくなるとはいえ、エコだ緑化だという昨今の流れに真っ向勝負するはずもなし、結局今のままで除草だけなされないということになるのは間違いない。

 かのローマ帝国の滅びの象徴は数あれど、全版図を網羅していた街道網の廃れ具合ほど悲しいものはない。
 エコカー購入を促す一方で、野山を切り裂き川や海を埋め立てまくってたくさん道路を造っておきながら、それを維持する予算がなくなっていくだなんて………。

 …やはりこの国には、滅びの笛が鳴り響いている。

 さて。
 うみまーるの大きなカレンダーによると、今月28日は金星が最大光度になるのだとか。
 金星といえば、この夏の間ずーっと夕刻になるたびに、西の空に輝き続けている宵の明星。普段から群を抜いて圧倒的な一番星ぶりを発揮しているこの金星が、一年の中で最も光り輝く日なのだそうだ。

 さっそく、どれどれ…とばかりに夕刻裏浜へ行ってみると……


こんな小さな写真じゃ見えないけど、矢印の先に金星。

 天の街道が現れていた。
 地上の街道がどれほど草に覆われようとも、時おり現れるこの天の街道は、この先何万年経っても、ずーっと美しいままなのだろう。

 そんな夕空の美しさを知ってか知らずか、最近あちこちで目にするようになったテングカワハギのカップルたちも、いつもと違ってアツアツムード。

 真ん中からポヨヨ〜ンとハートマークが浮かんでいきそうな二人なのだった。