「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 12月2日(水) 晴れ

南の風 おだやか 水温23度

 この一週間は抜群のお天気のときに出かけなければならなかったこともあって、10日以上のブランクダイバーになってしまった。

 その間に水温はまた下がり、ついに23度に。
 
GW頃にこの水温になったら、それは希望の光のようでさえあるというのに、夏からこの季節になってこの水温になると、23度といえばもう、暗黒星団帝国の入り口間近に思えてしまう。

 幸い、シーズン終了後に導入した新しいウェットスーツはまだまだ保温機能抜群なので、寒さに背を丸めて海底にうずくまることはない。
 寒さでうずくまることはないものの、ハタタテシノビハゼがのんびりしていたので、例によってアクビちゃんを撮ろうとしてじっとしていたら、やっぱり寒かった……。

 このハタタテシノビハゼもまた、エビと一緒に住んでいるいわゆる共生ハゼだ。
 共に住んでいるのはコシジロテッポウエビでしたっけ?

 近寄ってもエビが出てくるということは、このハゼ君があまり警戒をしていないという印でもある。
 警戒をしていないということは、のんびりアクビをしてくれる可能性は高い。

 するとほどなくして……

 このアクビ、実は2度目。というのも、この直後に口を全開にするものと思い、待っていたらこのまま終わってしまったのだ。

 どうせならもっと盛大に大口開けてアクビしてくれればわかりやすいのに、これだとなんだか、アクビはするけど大口開けたら失礼だしはしたないから、口を開けずにアクビをする、夜11時過ぎのゆんたく時のうちの奥さんのようなアクビなのだった。

 この日は久しぶりに船を動かすということもあって、バッテリーにエネルギーを蓄えるためにちょっと遠めに行こうってことで岩場のポイントに行ってみた。
 目的はもちろんウミウシである。
 が、コイボウミウシ2匹に遭遇しただけで終わってしまった……。

 まぁたしかに、岩やサンゴ礫をひっくり返したりして積極的に捜索したわけじゃないにしろ、やっぱこの季節はウミウシ的には不毛のようだ。