「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 12月10日(金) 晴れ

北の風 おだやか 水温23度

 昨夜からやたらと冷え込んでるなぁと感じていたら、この日の朝はなんと那覇で13度余りだったそうな。
 那覇で13度だったら名護あたりはそれよりも2度くらい低い。水納島は風が四方八方から吹くので、体感温度ということになったら、名護よりもさらに北の国頭村奥くらいの気温と同じくらいだろう。

 ひょっとしたら10度を下回っていたかも。

 そんな寒さで目覚める朝は、どんなに天気が良くても「海に行こう!」なんて気にはなかなかならない。
 ならないけど、こういうコンディションの日を逃していては、冬場は海に行く機会がなくなってしまう。来週はまた雨が続きそうだし…。

 というわけで、寒さこらえてスタンバイ。

 幸い、すっかり風はおさまり、お日様がポカポカと暖かな日差しを降り注がせてくれていた。ウェットスーツを着た状態でちょっと動くだけですぐに暑くなるほどだ。

 でも露出している素肌はチベタイ。
 船を桟橋に寄せるため、海に浸かっていたロープを手繰ることになる。
 …というシーンを頭に思い浮かべると、みなさんはさぞや「冷たそう!」と思われるかもしれない。
 しかし!
 実際は海水のほうが温かいのだ。
 気温に比べれば圧倒的に。

 だからワンタッチだったら、まるでお湯に手を浸けているかのような按配。
 これだったら、潜っていても寒くはあるまい………

 ………というのは甘かった。
 でも今回は前回の反省を活かしてインナーを着ていたので、限りなく22度に近い23度の水もそれほどのストレスにはならなかった。

 それに、透明度は良かったし、グルクンはたくさん泳いでいたし。
 気持ちいい。

 そんな海中で出会った今日のウミウシ君。

 ムカデミノウミウシ。
 やはりこの時期は、出会うウミウシすべてが小さい。
 彼らの寿命って、イカやタコと一緒で1年ほどの周期なんですかね?シーズン中に出会うウミウシ君たちの多くが、今の時期に子供時代を送っているってことだったのか……。

 知らんかっとってんちんとんしゃん。

 ところで、上の写真は本当にムカデミノウミウシなんでしょうか。
 というのも、水納島で潜っているとちょくちょく出会うこのウミウシは、たいてい砂地を這っている。
 ところが、図鑑に載っている「ムカデミノウミウシ」の写真は岩の上にいる状態ばっかりで、砂地を這っているものと随分印象が違って見えるのだ。
 といって、他に該当者は見当たらないし、年中チラホラ見られるくらいに普通にいるから、これまでずっとムカデミノウミウシと呼んできた。
 これからもそう呼び続ける予定ですけど、もしまったく違うウミウシなんだったら、どなたかその旨ご指摘くださいませ……。