「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2011年 6月2日(木) うす曇り時々大雨時々日差し

南西のち北東の風 おだやかのち波あり 水温23度 

 天気予報はすこぶる芳しくなく、実際に時々かなりの大雨が降ったこの日だったけど、幸いにして、潜りに行こうという時間帯になると、不思議と雨は上がり、空は薄日がさすほどのお天気になっていた。

 海神様、ありがとう!

 おかげでゲストの難易度の高いリクエストにも無事(?)応えられ、夜は夜で美味しい肴に舌鼓を打つことができたのだった。

 台風一過で明けるのかと思いきや、粘り越しを見せ付ける今年の梅雨。
 春以来の水温の低さも、このところようやく上昇の気配があるとはいえ、それでも例年に比べるとひと月は遅い。

 それを知ってか知らずか、例年だったら遅くとも5月には本隊が渡ってくるアジサシたちも、まだチラホラと偵察部隊の姿が見える程度に留まっている。
 リーフ際でキビナゴがたくさん群れ泳いでいるわけでなし、来ても、餌がないしなぁ……。

 そうはいいながらも、海中ではここ一週間で、急速に幼魚の数が増えてきた。
 リーフ際や根の縁を彩るキホシスズメダイのチビチビが、まさに急増といってもいいくらいに増えてきたのだ。

 ああ、初夏ねぇ………

 って感じの光景がようやく。
 やがてハナダイたちの幼魚もドドンと増えて、キビナゴもやってきて、スカテンも群れ始めたら、もう夏だ。

 セジロクマノミ夫婦も頑張っていた。

 産卵中のセジロクマノミ。
 産み立て卵はイクラのように美味しそうな色♪

 我々が水納島に引っ越してきて以来、ずっと観てきたセジロクマノミ。一度世代が代わった気配があるものの、当時のオスがメスになっているのだとしたら、それでも彼→彼女は、少なくとも16年以上生きていることになる。

 猛烈な台風も、強烈な冷え込みも、凄まじい猛暑も耐え抜いて、あくまでもフツーの暮らしを続けるセジロクマノミたち。

 彼らの真剣かつマジメな生命の営みを見ていると、永田町の政争なんてものは、実に実にくだらなくせせこましく情けなくどうしようもないものに思えてくるのであった。


今年も頑張れ、セジロクマノミ夫婦♪