「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2011年 8月30日(火) 晴れ

北東の風 少し波とうねりあり 水温26度〜28度

 結局台風は来なかったものの、洋上に同時に2つも台風があったせいでもあるのだろう、ここ数日大きなうねりが押し寄せている。
 で、満潮時の潮位がやたらと高い状態が続いていて、そこにうねりが入り込むと、島周辺の海岸からドドンと砂が海に流れ出ていくことになる。

 なのでここ数日は、海面付近は砂濁りで真っ白、という状態が続いていることもあって、クロワッサンとしてはスノーケリングは中止していた(他の業者は当然のようにこなしているけど)。

 今日もそんな状態なのは明らかだったので、ご予約が入っていたゲストにその旨お伝えしたところ、それでも潜るとおっしゃるため、久しぶりにダイビング。

 幸いその方々はセルフダイビングだから、僕はカメラを持ってエントリー。6月下旬以来ずっとワイドのままだったけど、濁っているんじゃしょうがないのでマクロに変更。
 ただでさえ慌しい朝の時間に、そういう作業をすべきではない。
 ちょっとした不注意が、カメラ器材の悲惨な結果に結びついてしまうからだ。
 このところの僕は、かつてのようにそういった不注意で失敗してしまう、ということが随分減った。
 いやあ、こう見えて、僕もようやく大人の落ち着きを身に着けたのだ。

 で。
 久しぶりのマクロレンズ装備でエントリー。
 さっそく、可愛いスズメダイに向けてカメラを構える。

 あれ?

 何も見えない??

 ひょっとして……………ア゛ッ!!

 レンズキャップをしたままなのだった……(涙)。

 あまりに悔しいので船に戻り、今度こそ落ち着いてハウジングを開けてカメラを取り出し、にっくきレンズキャップを取り外して臨んだのが1本目のこと。

 そして2本目。
 レンズをワイドにしたあと、初夏頃に発見して以来、ずーっと撮りたいと思いながらもワイドレンズのままのため果たせなかった可愛いあの子の撮影に臨んだ。

 その可愛いあの子とは?
 この子だ。

 ご存知、アカネダルマハゼ♪
 この魚は、他のコバンハゼやダルマハゼ同様、サンゴの枝間で暮らしているんだけど、宿にするサンゴがトゲサンゴと決まっている。
 そのトゲサンゴは、98年の白化の際、真っ先に白くなってしまい、誰よりも早く死に絶えてしまったサンゴだ。

 その後リーフのサンゴ礁が随分復活してきた中にあって、このトゲサンゴは目を見張るほどの復活ぶりを見せてくれるわけではなかった。

 それでも、ポツンポツンと見られるようになってきたのがここ数年のこと。なかでもこのピンク色のトゲサンゴは目立つほどに大きくなってきていて、ハゼドンたちを住まわすのに充分なサイズに育っていた。

 そして、今年。
 ついにアカネダルマハゼの姿が!!

 白化以来、実に13年ぶりの再会である。
 その後順調に成長を重ねたアカネちゃんは、ようやく肉眼でも楽しめるサイズになってきた。
 肉眼で楽しめるくらいなら、撮影も簡単♪

 ……というわけにはいかない。
 彼らは枝間を縦横無尽に駆け巡る。ダイバーが覗き込んでいるときに、枝の上にチョコンと載ったまま無防備な姿を曝すようなオロカモノではない。
 だから上の写真なんて、僕からすれば奇跡に近いのだ。

 それもこれも、このサンゴの前で30分たたずんでいたからこそ。

 というわけで、佐世保の兄やん、粘れば撮れます、アカネちゃん。