Maybe・22
伊豆味〜今帰仁線の下り坂

 伊是名、伊平屋両島といえば、県北部にあるわりと大きな島である。
 晴れてさえいれば水納島からも、ときにはおぼろげに、ときにはクッキリと、水平線の向こうにその姿を眺めることができる。
 いわば見慣れた風景だ。

 ところが、当たり前といわれれば当たり前なのだが、所変わるとその見え方もすっかり変わる。

 どこかいい風景が観られる場所はないかいなぁ、と本部町の伊豆味から今帰仁村へと続く不必要に立派な道を走らせていたところ、今帰仁へと続く下り坂にさしかかったところで、えもいわれぬ南国風景に出会った。
 冬だというのに緑輝くその向こうに広がる青い海、そして伊是名、伊平屋が……

 近い!!

 そりゃそうだ、水納島から観るよりも、ここから観るほうが距離的に近いのだから。
 つけくわえるなら、角度が変わることにより、見える面積も大きくなっているのである(伊平屋が斜めに細長いため)。

 この付近に住まわれている方にとっては当たり前のこの風景も、普段水納島からしか眺めていない僕からすると、とっても新鮮なのであった。

 ちなみに、この道は路肩に駐車することが憚られるうえに、沿道には電線も併走していて邪魔になるため、適当な空き地を見つけて車を止め、かなり生い茂った草をかき分けて展望のいいところに出てから撮ったのがこの写真である。
 冬とはいえ、こんなところでハブにでも咬まれたら…………

 かっこうのネタを提供してしまうところだった。
 ま、それは写真のためであって、車を走らせているだけでもこの風景はかなり堪能できる。峠付近の沿道は松林になっており、坂を下るとその松越しに海が見えてくる。
 やっぱり松は海が似合うなぁ、としみじみ思ったのだった。

オススメ時間帯
北向きなので、午前午後を問わず巡光になると思われる。