@三ツ星高尾山(3月4日)

 この日から我々は新宿のホテルに宿を取ることになっており、夕方には昔懐かしい顔に会う用があったため、3時頃にはチェックインするつもりでいた。
 それまでにはまだ時間があったので、ウロコムシ氏がマイカーでツアコンになってくださったのである。

 さて、ウロコムシさんのツアコン、略してウロコンが案内してくれたのはどこか。
 それは……

 高尾山!!
 西東京近郊在の方なら、一度は学校の遠足などで足を運んだこともおありだろう。
 にしても、なんで我々が突然高尾山なのか。
 みなさんはミシュラン・グリーンガイドというものをご存知だろうか。
 三ツ星レストランなどでおなじみのミシュランの、観光地版ガイドブックである。
 昨年版のそのミシュラングリーンガイドに、なんと高尾山が三ツ星で掲載された。そのため昨年の高尾山は、かつてありえないほどにフランス人観光客で賑わいを見せたという。

 そのグリーンガイドブックの今年版に……

 水納島も載ってしまうのだ!!<一つ星だけど…。

 沖縄のいくつかの離島とともに、水納島も載るのだという。
 なんでまたフランス人の目にとまったのだろうか。
 というか、彼らにとって何がどういいというのだろう?<ひょっとして、クロワッサンという名前??

 そのシンジツを探るべく、高尾山の状況をこの目で見ようと、はるばる我々はやってきたのだった。

 …といいつつ、一歩ずつ踏みしめて山を登るはずはない。
 そもそもの目的は山頂付近からの眺めで、夏場はそこはビアホールになっていて、ウロコンはたまに飲みに来るのだという。その際に利用するのが、ケーブルカー。有料ながら、これに乗れば山頂までひとっ飛び!! 

 ……のはずが。

 さすがウロコン。
 しかもこのケーブルカーの運休は、一年のうちで3月2日から6日までのたった5日間だけなのである。
 それに当たるなんて…………

 ……それって、我々がってこと??

 仕方がないので、スキー場にあるようなリフトで上がることにした。
 これがまた…………コワい。
 なにしろ、ガードもベルトもなく、ただ乗っているだけ。乗っているだけなのに、こんな傾斜を遥か高みまで登っていくのだ。

 高所恐怖症気味の僕は震えた。
 でも、コワいからというよりも、笑って……。
 だって、降りかえってみると、ウロコンったら、1人でポツンとリフトに………。

 あまりにシュールな絵…………。

 さてこの高尾山、三ツ星でグリーンガイドに載ったからには、どれほどの混雑なのだろうかと思いきや、この頂上付近までの長大なリフトですれ違ったのは、老夫婦に親子連れに犬連れ……の計3組のみ。
 全然いないじゃん……。

 頂上付近にたどり着いても、人の姿はまばらだった。
 ま、たしかに、今日は天気も悪く(なにしろウロコムシさんと一緒だから……)、頂上付近はやはり下界とは違ってかなり寒い。

 でも、ウロコンオススメの眺望は、なるほどたしかになかなかのものがあった。

 関東平野を一望に見渡せる大パノラマである。<晴れていれば、だけど…。

 夏場はちょうどここがビアホールになっているそうで、ビールを飲みながらこの景色とくれば、そりゃ極楽だろう。ひょっとしてフランス人が三ツ星に選んだ最大の理由は、このビアホールにあるんじゃないのか??

 そんなこんなで、人生初の高尾山を攻略した僕だった。
 高尾山という名はずっと以前から耳にはしていたのだけれど、僕はずっと高野山のような場所をイメージしていた。その参道には堂塔伽藍が建ち並び、山頂は厳かな境内が……と思っていたのに、まさかビアホールとは………。
 ハイキングコースとして有名だったのですね。

 このあとウロコムシ氏御用達の豆腐屋さんを経由しつつ、新宿までウロコン送迎してもらった。

 ワガママをきくといいつつ、結局またお世話になりっぱなしの我々なのだった……。