後日談・1
その後のベテルス 我々が後ろ髪をひかれつつもベテルスを去ったその日の夜のこと……。 火事!! オーロラロッジが!? 今こそ消防車、名誉挽回の出動だ!! 消す手段は雪をかけるしかないので、コービィさんをはじめ集った人々は、延焼を防ぐために周りの建物との間にある木々をなぎ倒し始めた。やってきた重機が大量の雪をぶっかけ始めはしたものの、火の粉は道路を挟んで対面にあるオーロラロッジにも飛んで行く。そして、その木々の枝にときおり火がついている…。 極寒の中、汗いっぱいになりながらの人々の懸命の作業により延焼は食い止められたが、パークステーションは完全に燃えきったという。中に人はいなかったので人的被害がなかったのは不幸中の幸い。 おそらくこれは、今後10年以上は村で語り継がれる大事件だろう。 旅行者としては……。 かくして、あの日僕が撮ったこの写真が、あの建物のこの世で最後の写真になったのだった。 |