67・必殺噴水掃除人
ホテルに戻り、お土産を荷物に詰め込んだらあとは帰るのみ。 なので、買い物を終えてミッションを終了して満足げな父ちゃんを部屋に残し、再び散歩に出かけた。 LIBERTA!! 見納めにフォロロマーノをもう一度眺めてみたい気もしたものの、最後なのでテキトーに散歩しよう。 アテもなくプラプラ歩いていると(父ちゃんはこれが苦手なので散歩できない)、ナヴォーナ広場に着いた。 この広場には、その周囲の建物にやたらとオープンカフェが多い。どこでもよかったんだけど、午前中の斜めの日差しだと広場の半分が完全に陰になる。 こういう観光地のカフェだ、バールだなんていったらやたらと高い、というのはすでに身をもって経験してきたものの、やはり観光客としては、路地裏の安くて美味しいカフェよりも、味はどうあれ眺めの良い場所で過ごしてみたい。 朝でもない、昼でもないという時間帯のせいか空いている。 で、ひょっとしてあるかなぁ…と期待してマルサーラワインを頼んでみると、カメリエーレはあるというではないか。 「申し訳ございません、マルサーラワインは用意しておりません……」 と、普通ならそう言えば済むところ。 「申し訳ないです、さっきはあると言ったけど、マルサーラはなかったんです。いえ、けっしていつもないわけじゃないんです、たまたま今日だけなくて……」 一度「ある」と応えたものが無いというのが、とてつもない大失敗であるかのような勢い。 いやあ、あのぉ、無かったら無いで別にいいんですけど……。 世の中には、 「あるといったものが無いとはどういうことだ!!」 などとクレームをつける人たちがいるんだろうか。 撮影:カメリエーレ2号 このカメリエーレ1号氏も、間違いなく自らをイケメンと信じ続けて28年くらいと思われる。 本人曰く、日本のガイドブックの表紙(?)に自分の写真が載っているそうな。 マルサーラがなかったので、ビッキエーレ・ディ・ビーノ・ビアンコを。 朝から酒なんて…とおっしゃることなかれ。旅行の時くらいいいじゃないっすか。<すでに父ちゃん化している我々。 まさか、ドミティアヌスの競技場跡で、ワインを傾ける日が来ようとは……。 早朝とは違って、10時過ぎともなると広場には人の姿が目立つようになってきた。 このお店は、各種ガイドブックに載っている「トレ・スカリーニ」という店であることを、あとでこの写真を見て知った。 ともかくまぁ、イルコントペルファボーレ。 ワイン、パニーニ、そしてカッフェ。 35.5ユーロ!! 高ッ!! さすが観光地!! お釣りの返し方がまた面白い。 これって、チップ置いてくれってことですか?? さすが観光地!! まぁ一等地にあるお店、この値段はしょうがない。なにしろ観光客向けの店なのだから。 ところで。 そんなさなかに、 四大河のオジサンもビックリ。 この掃除部隊、我々が広場をあとにする頃にはネプチューンの噴水に移っていた。 水すっからかーん。 にしても、今朝のスペイン広場はあんなに早朝に掃除していたのに、なにゆえこっちの広場は、人が多くなるこんな時間に?? って、ひょっとして……… これを書いている今ふと思いついて、さっそく写真を調べてみたところ…… 左:ナヴォーナ広場 右:早朝のスペイン広場 左:ナヴォーナ広場 右:早朝のスペイン広場 同じ人たち!! しかし!! 上:スペイン広場 下:ナヴォーナ広場 傍らに停まっている車はまったく同じだった!!(へこんでるとこも) おお、彼らはまさしく、この日早朝スペイン階段の下で働いていた人たちだったのだ。 そこでさらに思い至った。 2日前のトレヴィの泉 いた♪ なんだか上質のミステリーを読み終えたかのような、この満足感……。 …って、本筋とまったく関係ないんですけど。 たまたまそのタイミングに当たっただけですかね?? 我々観光客にとってもローマ市民にとっても、街中のオアシスとして欠かせない数々の噴水。 うーん、いい話だ。<そうかなぁ…? ホテルまでの帰り道、ついでにパンテオンに寄った。 東雲に さんぽ歩いて パンテオン そんな夢のような時間が、もうすぐ終わる。 |