スキー2日目 翌22日も朝から雪だった。 昨日1日ですでに「勝手」がわかったので、準備をするにも何をするにも我々の足どりは軽い………はずだったのだが、オタマサはしっかり筋肉痛になっていた。年末にスキーに行った水納小中学校の先生も筋肉痛になった、と言っていたのだけれど、なんでスキーでそんなところが筋肉痛になるのかな?と思っていたオタマサは、このときその理由を知った。スキー靴で歩くからである。 約1名筋肉痛ではあったものの、部屋にかけてあるウェアを着る時も、スキー乾燥室に置いてあるスキー靴を履く際も、もはやどこから見ても申し分のないスキーヤーだった(本人談)。 朝の雪は断続的に続いているが、空の色は昨日に比べれば随分明るい。 なんというネガティブスキーヤー!! というわけで本日1回目。昼になっても修学旅行を除けばそれほど人がいるわけではないが、午前中の、まだ修学旅行生が集まり始める前の時間は貸切といってもいいほどに空いていた。 リフトに乗っている間、昨日に比べればまったく風がないことを確信した。雪もそれほど激しくない。風で巻き上げられる地吹雪さえなかったら、視界はそれほど奪われることもない。 この日は雪の合間にときおり日差しが出るほどのいい天気だったので、ゲレンデでゴーグルをはずすとまぶしくてしょうがない。放っておくと「雪目」というものになるのだそうだ。 我々は他のスキー客に比べて色が黒い。もちろんスキー焼けとはまた異質な日焼けなのだが、パッと見だとなんとなくそれっぽいのだ。おまけにオタマサは日焼けで髪が半茶パツだし、わりとウェアもサマになっている。姿だけを見るとさらに「できるヤツ……」だ。 午前中は、なんだかんだと調子に乗って4回もリフトに乗ってしまった。すでにノルマ達成だ。 根が単純なだけに、そういう余裕が出るとすぐに食に出てしまう。この日の昼飯はラーメン屋にしたのだが、しっかりサッポロ生ビールを注文していた。けっしてスキーをなめているわけじゃないんだよ……。 ノルマは達成したし、楽しく滑れたし。なんか、もう今日はこのままここで飲んだくれててもいいなぁ……って感じ。 だが、手招きする生ビールサーバーに別れを告げ、果敢にロッジを後にした。 第1回雪埋まり大会ぃぃぃ〜!! (パフパフッ) え?何をするのって? 夢のひとつが叶えられて満足したうちの奥さんは、引き続きもうひとつの夢の実現に移った。 第1回雪だるま作り大会ぃぃぃぃ〜!! (パフパフッ)文字通り雪だるまを作るのである。これも、うちの奥さんのスキー場での夢ベスト3のひとつなのだ。 粉雪だと雪だるまどころか雪合戦用の玉を作るのすら難しい、ということは前々から聞いていて、すでに宿周辺で雪玉作成の難しさを体験していたうちの奥さんは、雪だるまの作成にはアイデアを持っていた。札幌雪祭り方式である。 あらかじめ雪をある程度固めておいて、それからだるま状に整形していくのだ。なるほど、たしかにだんだん雪だるまらしくなっていった。 ゲレンデの傍らではあったが、ジャンプをするためにわざとコースを外れてくるボーダーがときおりすぐそばを通過するなかで、1体の雪だるまがまるで禅僧のようにたたずんでいた。 その後、リフトに2度乗った。この日は晴れたり曇ったり雪降ったりで、料理と同じフルコースである。そんなフルコースの天気で変わる景色は楽しかったものの、そろそろ同じコースも飽きたかなァ………。 お迎えしていただく時間をお電話したあと、うちの奥さんの夢ベスト3の、いよいよ最後の作戦に入った。 第1回 缶ビールを雪に埋めて冷やして飲もう大会!! (パフパフッ)ロッジの自販機で買った北海道限定サッポロクラシックは最初からキンキンに冷えているんだけれど、どうしても雪にブスッとさしてから飲みたい、と駄々をこねるのである。それが夢だったのだ、と言われれば仕方がない。熱心にスキーやボードを楽しんでいる人々の傍らで、ドデンと腰を据えてビールを飲む我々であった。 あたりを見まわしても、他にそんなヤツはどこにもいなかったのはいうまでもない。 それにしても、スキーってもっと運動になるのかと思っていたら、とってもとっても楽チンではないか。スーパーボーゲンのオタマサは筋肉を酷使しているようだったが、貴公子はあくまでも滑らかなので、体のどこも痛くも痒くもない。誰だ?年取ったらスキーはつらいぞ、なんて言ってたヤツは………。 宿に戻ってヨロコビの温泉に入ったあと、部屋からアンヌプリのゲレンデを見やるとナイターの照明がついていた。夜まで熱心にスキーやる人もいるんだなぁ。 |