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エピローグ・ニセコ……すべての終わりに

 連絡船に乗ると、デッキに我々宛ての宅急便が乗っていた。風みどりさんから送った自分たちの荷物と、小樽で頼んだ鮮魚たちだった(無事到着!!)。
 そうか、我々は宅急便の歩みで帰ってきたのか………。

 初北海道、初スキーという、人生における一大エポックを作り上げたうちの奥さんは、どうやらスキーにはまったようである。来年はボーゲンを卒業し、オタマサとは別れを告げ、雪のミジンコは雲の彼方に消し去り、雪原の女王になる!と、今から抱負を述べている。
 1度行ってみると、雲をつかむようだったいろんな方のスキー場情報が、手にとるようにわかるから面白い。それによると、数あるニセコのスキー場の中でも、コース的にアンヌプリはもっとも無難なところなのだそうだ。あれで………。いやあ、他所にいかなくてよかったぁ………。ちなみに、あるQ&Aの回答によると、スキー初めて、という人がゲレンデ頂上付近まで行くゴンドラに乗って滑り降りてくるのは危険です……と書かれてあった。そりゃそうだろうなぁ……。

 今回の旅行記も、いつも通りただの愚考&愚行記で、他人様に対する斟酌は微塵もない。けれど、ひそやかな願いを込めていたりもする。
 昔けっこうスキーやってたけど、最近してないなァ、という人の、
 「久しぶりにスキーやってみようかな?」というキッカケに、
 そしてまったくやったことなくてこのまま一生やらないかも……と思っている人の、
 「私にもできそう……」という勇気に………。
 そういうものになったらいいな、と。
 これを読んでスキーに行ってきた、という人が1人でもいらっしゃれば、駄文作者としては望外のシアワセである。

 ………というか、ここまで完読してくださったあなたに、深い深い謝意を捧げます。貴重な時間をありがとう。