後日談

災厄を撒き散らした男

 懸命なる読者は、ふとお気づきになったかもしれない。
 この旅行中、おりにふれ体調を崩している方がいたことを。
 機内でのうちの奥さん、池袋の元上司氏の奥さん、鳥羽のタコ主任、Perle Hiro氏の奥さん、そして僕。
 実は、それだけではなかったのである。

 まず、那覇出発前にお世話になった浦添の先輩。
 モーニングコーヒーをいただいていた際、ふとしたはずみで痛められたのか、
 「ちょっと腰が…」
 とおっしゃってはいた。それが、我々が去ってからすぐ、一発のくしゃみですべてが崩壊してしまったらしい。
 ぎっくり腰である。
 ハッスル2氏のナチュラルに通い続けること数日、ようやく動ける体になったという。

 また、酒造場めぐりの稿でご紹介したMご夫妻、その奥様が、帰宅後しばらくして何年ぶりかの風邪を召されたという。久しぶりの発熱で参ってしまわれたそうだ。

 驚くべきことに、高槻の実家の母まで、我々が帰ったあとに体調をくずしていたらしい。

 こ、これは………。

 僕が行く先、行った後に災厄が?
 なんということだ。恐るべき負のパワー!!
 はたして、埼玉の実家はみな大丈夫だったのだろうか。
 サンシャインの人たちは?岩田館の人々は?り☆ようこさんは?そして、本編では触れてはいないけど、見舞いに行って会った祖母ちゃんは?

 恐ろしくて訊けない………。

 そんなときだった。
 機関長がうちで飲んでいたときに語った言葉を聞き、僕は思わず耳をふさぎたくなった。

 「あー、あの店たたんだってよ」

 え”―――ッ!!
 独眼のことである。
 なんと我々が船長カネモトさんと飲んだしばらくのちに、店をたたんでしまったのだという。
 そ、それは…!?

 実は、それは発展的な移転のためなのだった。
 国場のほうに場所を移し、新規オープンするのだそうだ。カネモトさんも、実はあの時点でその話は知っていたらしい。
 な〜んだ、びっくりしたなぁ、もう。

 ま、災厄を撒き散らす男が行った店にはミソがついてしまってたろうから、発展的移転は大正解なのだろう……。

 えー、旅先でお会いしたみなさん、その後ご無事でしたか??