水納島の魚たち

ダンダラダテハゼ

全長 8cm

 ハチマキダテハゼ同様、特に共生ハゼに傾注しているというわけではないダイバーには、あまり知られていないダンダラダテハゼ。

 彼の場合は砂地よりは岩場のガレっぽいところが、浅いところよりは深いところが好きというタイプのため、砂地の明るい海に潜りたいというゲストが多い当店では、そもそもそういう場所に潜りに行く機会が少なく、出会う機会は少ない。

 そのため、いるところにはわりといるものの、なかなか観られないハゼということになる。

 ところがたまに、砂地のポイントの砂底に、このダンダラダテハゼが姿を見せることがある。

 冒頭の写真も砂地のポイントで見つけたものなんだけど、それと比べるとこの写真の子は随分若く小さい。

 そのためか、だんだら模様にはまだ本来の(?)赤味が残っている感じ。

 そのまま砂底で成長すると、ダンダラダテハゼは目立たないように色が薄くなっていく、ということなのだろうか。

 ちなみに白い砂底に比べると遥かに暗い、岩場の礫底で観られるダンダラダテハゼは、こんな感じ。

 赤みが強く、コントラストもクッキリしている。

 ただし深いガレ場だと、ストロボを当てた写真では色が出ているけれど、海の中で観ると黒っぽく薄汚れた感じの縞模様にしか見えない。

 そういう場所で彼らを観ると、礫底ではこのだんだら模様が、カモフラージュ効果抜群であることがよくわかるのだった。