水納島の魚たち

マダラトラギス

全長 25cm

 オグロトラギスと同じようなところで観られ、ほぼほぼ同じように振る舞うマダラトラギス。

 ただし転石ゾーンさえあればわりと深いところでも観られるオグロトラギスに比べると、より浅いところに特化している。

 なのでリーフ際の転石帯をウロウロすれば、同じくウロウロしているマダラトラギスに会うことができる。

 小石も転がる転石ゾーンだから、この白黒の斑模様は隠蔽効果が抜群なのだろう。

 その体の白黒模様は、上の写真のようにメリハリがある場合と……

 このように薄くなっている場合がある。

 そうかと思えば、顔付近だけメリハリがあり、それ以外は薄くなっていることもある。

 気分のモンダイなのか雌雄差なのか、はたまた環境の違いなのか。

 そんな白黒模様の陰に隠れているからあまり目立たないのだけれど、ヨツメトラギスほど「眼」状ではないものの、目の後ろに一対の眼状斑がある。

 ヨツメトラギス(のオス)が成長とともに眼状斑がクッキリと「眼」になってくるのとは逆に、マダラトラギスの場合は子供の頃のほうが模様がハッキリしている。

 いずれにしても、黒い模様の上にあるから、あまり目立たない。

 目立たない眼状斑の意味っていったい……?

 あ、ひょっとして、眼状斑を目立たせるために模様の色を薄くするとか?? 

 マダラトラギスもオグロトラギスに負けず劣らず好奇心旺盛で、ダイバーが海底にいると知るや、さりげなくそばに近寄ってくる。

 かといってフレンドリーというわけではなく、おお、そうかそうか…とカメラを向けると、つれなくその場を離れることが多い。

 こうして正面から気軽に撮らせてくれそうに見えて、その実あっという間にその場を去ってしまうあたり、オグロトラギスほど単純明快フレンドリーというわけではないようだ。

 ネットで画像検索をしてみても、オグロトラギスに比べ、マダラトラギスの正面顔写真はとっても少ないことに気づく。

 好奇心は旺盛だけど、けっして気を許しているわけではない、そんなビミョーなお付き合いが楽しいマダラトラギスなのである。

 追記(2021年8月)

 相変わらずつれないマダラトラギスながら、ちょっとばかり隙をついて正面顔を撮らせてもらった。

 例によって1枚撮るだけですぐにその場を去っていくので、じっくりお付き合いというわけにはいかなかったものの、マダラトラギスが正面顔を撮らしてくれない理由を、今回ようやく知るに至った。

 彼らはなぜ正面きったお付き合いができないのか。

 それは彼らの顔が……

 サブちゃんだからだ!!

 〜♪ 祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁ぉ祭りぃ〜〜〜

 横から見るツンとおすまし顔とはまったく別キャラ。

 サブちゃんがどれほど偉大な大御所であれ、マダラトラギスとしては乙女心的に、そこには触れてほしくなかったのかもしれない…。