水納島の魚たち

サンカクハゼ

全長 5cm(写真は3cmほど)

 今さらながらではあるけれど、サンカクハゼっていったい何が三角なのか。

 背ビレが三角だから

 顔の輪郭が三角だから

 などとまことしやかな理由が述べられたりするなか、どうやら実際の由来は

 体の断面が三角だから

 なのだそうな。

 断面てあなた、海中でどうやって確認しろと……?

 まぁたしかに正面から観れば三角っぽいけど(下の写真はセスジサンカクハゼです)。

 ところで、冒頭の写真は8年前(2012年)にビーチの浅いところで撮ったもの。

 以後ずっとセスジサンカクハゼと信じ、ワタシは今日まで生きてきた。

 ところが今回セスジサンカクハゼをアップしようとして写真をよく観ていると、セスジサンカクハゼの最大の特徴である背ビレのスジの場所が違っているではないか。

 セスジサンカクハゼの「背スジ」は、背ビレ付け根の途中から背ビレ上方前縁に伸びているのに対し、冒頭のハゼの「背スジ」は、背ビレの前縁に沿うようにビシッと伸びて上端に達している。

 はて、これはどういうこと??

 さっそくハゼ類変態社会御用達図鑑「日本のハゼ」を見てみると……

 あらら、2.5cmくらいのサンカクハゼ・チビターレの写真には、冒頭のハゼと同じような位置にビシッとスジが入っているではないか。

 ネット上などで観られるサンカクハゼのオトナの写真にはそのようなスジは観られないから、これはサンカクハゼの若い頃までの特徴なのだろうか。

 というか、水納島にサンカクハゼってホントにいるのか?

 …と疑問に思いつつ、今度は吉野雄輔版「日本の海水魚」のサンカクハゼの項を見てみると、写真は6cmほどのオトナで、背ビレにスジが見当たらない写真の撮影地は…

 あらら、「沖縄県本部町水納島」だって。

 やっぱいるんですね、サンカクハゼ。

 というわけで、撮った記憶すらない写真を今さらながら見直して、サンカクハゼの若魚認定した次第。

 間違っていたら、そっと教えてくださいませ……。