さざえのつぼ焼き

 沖縄で言うサザエは、正しくはチョウセンサザエという種類で、内地で見られるサザエのように角がなく、サイズも小ぶりだ。

 島の人たちにとってサザエといえば、数多い海の幸の中でも最も手軽に確保できるもののひとつである。
 けれど、それをたらふく食べるということはなく、普通の食事にわざわざつぼ焼きを作るということもないようだ。 

 たしかに我が家でも、遠く内地から友人が来たときとか、馴染みのゲストがお越しの際に出す程度で、普通の食事のときには滅多に食べることはない。

 素朴な存在でありながら、実はサザエはおもてなし用のアイテムなのである。

 たしかにその威力は絶大だ。
 特に、サザエのスタンダードといっていいつぼ焼き。
 僕らにとってはごくごく当たり前のこのつぼ焼き、食べたくともそうそう食べることができない都会にお住まいの方々にとっては、こんなに食っていいのかというくらい食べてもまだある、という状況なんて限りなくゼータクなシチュエーションなのだ。

 このつぼ焼き、作り方はいたって簡単である。
 獲ってきたあとの砂出しと(桟橋に網ごと吊るしておくだけ)、一度茹でておくという作業があらかじめ必要だけれど(生のままやると、しっかり閉じられた蓋が茹で上がるとシャンパンのコルク栓のように吹っ飛ぶからアブナイ)、そうやってキープされているサザエさえあれば、あとはもう入り口にタレをたらし、ただ網の上に載せて煮立つのを待つだけだ。

 もっとも、この「タレ」にこだわるとさらに楽しむことができる。
 アウトドアなら醤油と水を半々くらい、という材料しか用意できないかもしれないけれど、家で作るなら少し工夫したいところだ。

 醤油ベースの味がいいなら、そこにワインやみりんを足したりして、より一層のコクとうまみを引き出すという手もあるし、醤油の代わりに味噌とみりんもしくは日本酒をたらす「味噌さざえ」という方法もある。
 飲み物がワインという場合は、ガーリックペーストとバターおよびバジル少々を適量載せて欧風にした「エスカルゴ風さざえ」もなかなかいける。

 手軽に獲れて在庫も豊富とくれば、その食べ方もいろいろ工夫できるのだけれど、結局行き着く先はこのつぼ焼きになるのであった。

 サザエさん、ただ今つぼ焼きに変身中……

サザエの中の醤油が煮立ったらOK!

 


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