ヒメミドリアメフラシ  アメフラシ科

写真の個体の大きさ 3センチ

 アメフラシという名前からすれば意表をつくといっていい青い点々が美しい。

 また、しっぽ(?)がやたらと長いため、全体を撮ろうとすると写真の中で体が小さくなりすぎるので、多少やっかいだったりする。

 漂流物につく習性らしく、普通にダイビングをしていて海底を這いずっているだけではけっして会えないという。

 ところが、昨年(2013年)の春まで船がない時期があった我々は、例年になく冬場にビーチで潜る機会が増えていたおかげで、たまたまビーチの波打ち際まで流れ着いて海底に沈んでいた白いプラスチックのカゴについていたこのウミウシに出会うことができた。

 最初は3匹ほど集まっていて、どうやら産卵したのかしていたのかだったらしい。

 カゴに付着した何かを食べながら、そこに卵を産んでいるんだから、ホントにこの漂流物上で生活が完結しているのだろう。

 ところでこのアメフラシ、よく見ると目がある。

 ちょうど目に見える位置(?)にも青い点々があるんだけど、その両サイドに本当の目が(針の先ほどの小さな黒点)。

 この「目」、解剖学的にはいわゆる「眼」というほどの機能はないかもしれない。
 けれど、少なくともこうして正面に回ってカメラを構えると必ず方向を転換するくらいだから、何かを感知する機能を持っていることは間違いない。

 アメフラシという妖怪系の奇怪な生き物が、この目によって一気にプリティクリーチャーに変身だ。