イソウミウシの仲間?  ドーリス科

写真の個体の大きさ 3ミリ

 台風といえば、普通は梅雨明け後がシーズンになるものなのだけれど、今年(2011年)は5月に2個も沖縄に台風が接近してきた。

 季節はずれの台風といったら、普通は弱弱しく足早に去っていくもの。ところがどういうわけかストロングサイズに育った台風2号は、心の準備が整わないままの沖縄を席巻、各地に被害をもたらした。

 海中もその景観が大きく変わってしまうほどの惨状で、リーフ際の浅いところにあるサンゴ礫などはそのほとんどがてんでバラバラに吹き飛ばされ、海底は酵素パワーのザブで漂白したかのように真っ白に。

 そして。

 本来はそういう浅所のサンゴ礫の下に潜んでいる小さなウミウシたちもまた、台風の被害に遭っていた。
 本来いるはずのない、深めの砂地の上を、アテもなくウロウロと歩き回っているのだ。

 そのひとつが写真のウミウシ。
 各地で舞い上がったゴミや藻屑が流れの加減で集積するあたりで、ゴミに紛れていた。

 あまりの小ささとその形に、最初はウミウシであることに確信が持てなかったのだが、カメラレンズ越しに触角を確認できたおかげでウミウシだとわかった。

 で、これはやはりイソウミウシの仲間ってことでいいんでしょうか?

 普段は浅所のガレ場の石をあまりめくらないので、この季節はずれの台風がなければ、この先一生出会えなかったかもしれないウミウシであることは間違いない。