スミゾメキヌハダウミウシ  キヌハダウミウシ科

写真の個体の大きさ 1センチ

 こうして単独で砂地の上を這っているだけの姿を見ると、ただの黒い地味なウミウシにしか見えない。
 しかし彼らの本当の姿は、これではない。
 実は彼らは……

 こうしてヒメダテハゼのヒレにくっついているのだ。
 どうやら、ハゼのヒレを食しているらしい。

 ……なんて話も、今ではすっかりお馴染みになっている。でも、初めてこのウミウシを見た当時には当然ながら図鑑なんぞには載っておらず、そもそもウミウシであるということすらわからなかった。

 ハゼのヒレについている寄生虫のようなものが、実はウミウシだった………

 ということを初めて知ったときのオドロキをご想像されたい。
 図鑑によると、シノビハゼ属のハゼにもくっついていることがあるそうだけど、筆者はまだヒメダテハゼについているものしか見たことがない。
 その様子がしょっちゅう見られるのは、いまだ水温が冬並みに低い春先で、水温が低いと魚たちの代謝が下がり、不活発になるからウミウシも這い登りやすいのだろうか。

 にしても、なんでヒメダテハゼだけなのかはよくわからない。