写真・文/植田正恵

191.豆腐作り体験授業
月刊アクアネット2019年4月号

 授業参観や運動会、学習発表会、文化祭などなど、学校には保護者が参加・参観できるイベントが多い。

 児童生徒数が少ない水納小中学校の場合は、それらメジャーな学校行事のほかに、特別講師を招待して行われる特別授業にも、保護者や地域住民の参加が可能だ。

  とはいえ学校の授業時間といえば昼日中のこと、オフシーズンといっても畑仕事にとんぼ玉つくりに庭仕事に美味い肴作りに余念がない私が(余念だらけともいう…)、そうそう授業に足を運べるものではない。

  ところが今年3月に予定されていると伺った授業には、かなり興味をそそられてしまった。

 なんと豆腐作り体験だという。

 それも、講師として来島される方は、本部町の有名豆腐店の店主というではないか!

  大の豆腐好きの私、しかも本部町にこの店ありと知られる美味しい豆腐店の方に教えてもらえるとあっては、矢も盾も豆腐もたまらない。
 畑仕事から何から、晴れた日にしかできない様々な作業をさしおいてでも、ここは参加あるのみ。

 というわけでいそいそとエプロンを用意し、子供たちや先生方と一緒に家庭科室に集合した。

  実をいえばこれまでにも2度ほど、水納班婦人部主導の学校行事であるPTA実技研修にて豆腐作りを体験したことがある。

 ただしそれは婦人部の先輩方からの口伝(?)を旨としているものなので、材料も技術も加減も時間も、「こんなこんなしなさいねー」「こーんな感じだはずよ」と、長嶋監督の技術指導なみのいたってフィーリングワールド。
 普遍的なレシピなどあろうはずはない。

  もちろん最終的には美味しい豆腐ができあがりはするものの、教えてもらいながらハッキリ把握できるのは材料と大体の流れであって、きっちりとした分量や作業内容が示されているはずもない。

 そのため作業中はとっても楽しくとも、再現性を期待するのはなかなかムツカシイ。

  ところが今回の豆腐作り体験の講師は、最初にパワーポイントを使ってルーツから豆腐について詳しくレクチャーしてくれたほか、家庭で簡単に豆腐を作ることができるレシピまで配布してくださったのである。

  昔の調理実習の頃に比べれば参加人数も随分少なくなっているから、実習そのものも「参加」できるパートが多く、一番面白い作業といっていい「にがりを入れて豆腐が固まるところ」も一人ずつ体験できた。

 そして正真正銘出来立てのアチコーコー(熱々の状態を沖縄ではこう言います)の豆腐を実食する段になると、こんな日に畑仕事などしていなくてよかった!と思わず叫びたくなるほどに、豆腐好きな私はとても幸せな気持ちになっていたのだった。

  最近の学校現場では、理科離れ防止のために理科の授業の一環として豆腐作りをするところも増えているらしいけれど、今回の水納校でのイベントは純粋に豆腐作り体験。

 おかげさまでレシピも手に入れ、期待値以上に実り多い豆腐作り体験となった。

  もっとも、本来の主役である児童・生徒2名よりも盛り上がってしまい、今さらながらいささか反省している私である…。