写真・文/植田正恵

32.グランドゴルフ
月刊アクアネット2006年1月号

 沖縄県出身の宮里藍ちゃんが一躍スターになっている。おかげで、女子プロゴルフ界は空前の人気になっているらしい。島の飲み会では必ずゴルフが話題となるほどだから、ゴルフは野球やサッカーと異なり、齢をとっても楽しめるスポーツのようだ。
 ちなみに私はゴルフを一度もしたことがない。やってみたらきっと面白いのだろうが、今のところやってみようとも思わない。他にもっと楽しいと思うスポーツや、遊びがありすぎるからだ。

 周囲4kmの水納島には、当然ながらゴルフのコースはない。けれどもグランドゴルフならできる。とはいえグランドゴルフと聞いて、それが何かすぐに分かる人はどのくらいいるのだろうか。かくいう私も島に越してきた当初、グランドゴルフに初めて誘われた際、いったいどんなものなのか見当もつかなかった。その後テレビのローカルニュースなどでもグランドゴルフをやっているシーンをちょくちょく目にするようになり、なるほど、沖縄県だけで流行っているものなのだと理解していた。

 ところが数年前、グランドゴルフの全国大会が…、というニュースを聞くに及んで、これは全国的なスポーツなのだということを知った。ご存知ではない方のために簡単に説明すると、グランドゴルフとはパットパットゴルフとゲートボールを足して2で割ったようなものである。コースは任意に設定できるから、難しいコースにしたり、簡単にしたりというアレンジも可能だし、かなり狭い場所でもできる。

 水納島では年に数回グランドゴルフ大会が催される。それは忘年会だったり、敬老会だったり、バレンタインデー杯だったり、そのときによって色々の理由があるのだけれど、まあようするに飲み会の前のひと運動というかひと遊びみたいなもので、グランドゴルフを真剣にやるために集まるわけではない。
 でもときには商品がかかったり(チョコレートやテイッシュなど)順位を競うこともあって、かなり本気になることもある。あるときなどは、おじいがクラブを地面にたたきつけて悔しがっていた。私はこれでもどちらかというと若手なので、おじいおばあがやるときのスコア係をやることが多く、時間があったら後でやるという程度のノリだからさすがにそこまでの思い入れはない。けれどもその後の飲み会で(やりながらも飲んでるけど)、あのホールインワンはすごかったとか、誰それはうまいとか、世代を超えて共通の話題で盛り上がれて面白いと思っている。
 そう考えると、きっとゴルフの楽しさって、麻雀と一緒でプレー中やその後のコミュニケーションも大きな要素の一つなのだろうなということに気づく。やってみるのもいいかもと、少しは思ったりする。

 子供の頃、ゲートボールに抱いていたイメージといえば、お年寄りのやるスポーツで若者がやるものではない、というものだった。その頃に一緒にゲートボールをやろう、と誘われても、間違いなく断っていただろう。
 もしかしたら他の地域ではグランドゴルフもお年寄りだけがやるスポーツなのかもしれないけれど、少なくとも水納島では、
5歳くらいから80歳以上の人まで、一緒になって楽しんでいるスポーツだ。今年もまた何度もグランドゴルフ大会が催されるだろう。その際はご宿泊のお客様にも間違いなくお誘いの言葉がかかるはずだ。そんなときは尻ごみせず、ぜひ参加してくださいね。