エビカニ倶楽部

シロサンゴヤドカリ

甲長 10mm

 日本で観られるものだけで300種を超えるヤドカリさんたちとはいっても、すべてが日本中の海にいるわけではないから、分布域的に見られる種類は限られてくる。

 たとえ分布域に入っていても、やたらと深いところにいるとか、夜行性のため夜しか観られないということもある。

 そして我々のようにボートダイビングがもっぱらとなると、とっても浅いところで暮らしているものにもなかなか会えなかったりする。

 シロサンゴヤドカリもそういう「とっても浅いところ」を好むヤドカリさんで、潮が満ちてくるときに最後まで残っている満潮ラインのタイドプールですら観られるほど。

 畢竟、ボートダイビングではまず縁がない。

 ビーチエントリーダイビングであっても、エントリー&エキジット時にはまだ立っていて顔を水に浸けていないくらいの水深になるから、同じくらい縁がないかもしれない。

 恥ずかしながら私はいまだこのシロサンゴヤドカリには出会ったことがなく、今のところ唯一記録しているのは、だんなが散歩のついでにタイドプールで見つけ、水面越しに撮影したものだ。

 本人による苦労話はこちら(の後半)に譲るとして、当店的に初遭遇となったこのシロサンゴヤドカリが利用している貝殻は、キバアマガイだ。

 シロサンゴヤドカリが宿に利用しているキバアマガイやアマオブネガイの仲間は潮間帯に多い種類で、場合によっては水から出ていても歩いているほど。

 すなわちシロサンゴヤドカリは、こういうところにいるのである。

 また、シロサンゴヤドカリは、左右のハサミの大きさに随分差がある。

 大きな左側のハサミ脚は、スベスベサンゴヤドカリと同じく、貝殻のなかに引っ込んでいる際にはフタの役目をするという。

 しかしこの貝殻はスペースに余裕があり過ぎなのだろうか、引っ込んでいるときにフタをしているようには見えなかった。

 先ほどのリンク先でも触れているように、一度引っ込んだらなかなか出てこなかったというシロサンゴヤドカリも、15分ほどしてようやく警戒を解いてくれたそうな。

 私にとっては初めて目にする、水納島のシロサンゴヤドカリ。

 このようにタイドプールを探せば、まだまだたくさん出会えるのだろうけれど、できることなら水面越しではなく、海中で出会ってみたい。

 大きめのタイドプールに入って寝ころべば、もうそれで「海中」かな?

 さっそく追記(2023年1月)

 その後干潮時にタイドプールをサーチしたところ、予想どおりシロサンゴヤドカリがやたらとたくさんいた。

 こんなにたくさんいるというのに、今さら「初めて目にする」だなんてまったく汗顔の至りではあるけれど、やはりタイドプールじゃ「水中」写真は撮れないか…

 …と思いきや、手軽に「水中」写真を撮る方法があった。

 カメラだけ「水中」に浸ければいいのだ!

 もっとも、これにて「海中で出会った」ことにはならないけれど。