甲長 10mm
当「エビカニ倶楽部」がついにヤドカリさんたちに突入したのを機に、私が昔フィルムで撮った写真の海に潜っていただんなが発見(?)したのが、このツマジロサンゴヤドカリ。
潮間帯、それもタイドプールでさえ見られるくらいに浅いところが好きなヤドカリさんながら、水納島でのダイビングで出会う機会となると、ビーチエントリーでリーフ内を潜っているときくらいのものだろう。
ということもあり、デジイチで撮るようになってからは一度も出会っていないツマジロサンゴヤドカリ。
でも越してきてからしばらくはヒマヒマだったからビーチ内にカメラを携えて潜る機会が多く、数個体撮影していた。
ただし当時はフィルムで撮っていたものだから、1本のダイビングで撮影できる枚数は、フィルム1本36枚+Eでマックス37枚しかない。
そんな制限付きで1種類のヤドカリさんを何枚も撮っているわけにもいかないということもあり、「ヤラセ」をして貝殻から出てくるところを小刻みにたくさん撮るなんてことができるはずもなし。
そのため撮った写真といえばありのままの姿、すなわち貝殻からわずかに眼や触角、それにハサミ脚と歩脚がチョロ…っと出ている程度になる。
それはそれで「持続可能なフィールド撮影」的には望ましいことながら、ヤドカリさんの場合そこしか写っていないと種類すらわからないものも数多く、不便なことこのうえない。
その点ツマジロサンゴヤドカリは、サンゴヤドカリの仲間でこのような歩脚や第1触角の色を呈しているものが他にいないおかげで、「チラ見」でも種類がわかるのでありがたい。
これもまた古くから知られているサンゴヤドカリの仲間で、80年代後半に刊行された図鑑にも掲載されていたこともあって、当時からフィルムマウントに「ツマジロサンゴヤドカリ」と記入してあったのだけど、それもこれもこのわかりやすい特徴のおかげなのはいうまでもない。