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さして忙しくないのに時間がないという、それだけ考えると不毛な日々を過ごしたここ数日だったのだが、中身はかなりネタに溢れている。
筆頭は、なんといってもこの時期初のコスゲさん来島!!
コスゲさんといえばお盆の人、と誰もが思っているとおり我々もそう思っていた。ところが、急遽今月下旬にお越しになる予定に。
年によってはバハマまでイルカの撮影に行っているはずの彼が、なにゆえこの時期に水納島に??
なんと、コスゲさんのドキュメント撮影のためなのである。
CS放送のテレ朝チャンネルには、これまで70余回放送されている「海からのメッセージ」という番組がある。
恩納村のダイビングサービス「マリンドリーム」のオーナーである広部さんは、その一方で映像番組制作プロダクションも手がけられており、「海からのメッセージ」は彼が企画・制作・監督・撮影している番組だ。
ダイビングに関わる様々な人々の面白おかしなドキュメントを面白おかしく放送するこの番組、当初は各界著名人が多かった出演者も、70回を迎えるとさすがに様々な分野の人々が登場するようになっているようで、ついに我らがコスゲさんにも白羽の矢が立てられたのである。
そしてコスゲさんは、その撮影シーンのホームグランドのひとつとして、是非水納島でも撮影を、ということで今回の来島という運びになった次第。
というわけで、コスゲさん来島後、一本目の撮影はもちろんこれ!!

ピエロを撮るコスゲさんとコスゲさんを撮る広部さん(右)。
ご存知ヒトデナマコピエロ。
とまぁ、冒頭から遊びが入っていることからおわかりのとおり、おそらく全編コスゲ節が炸裂することになるであろうこの番組、今回の撮影で明らかになったことが一つ。
コスゲさんはムービーの被写体になるのが苦手。
いや、海中でならいつもどおりなのだ。
ところがインタビューなどで陸上でカメラを向けられると、カメラの向こうにいる視聴者に語らなければならないという意識が妙に肩に力を入れてしまい、緊張のあまり顔がひきつるのである。
そばで見ていると笑えた。
が。
「コスゲさんを語る」というシーンが必要だったらしく、カメラに面と向かわれた僕もまた、同じ目に遭ったのはいうまでもない。気の利いたことを言えずにすみません………。
それにしても、海中ではこんなカメラを導入してまで魚たちにレンズを向け続けるコスゲさん。

これ、昆虫写真家の栗林慧さんが生み出した「虫レンズ」の海中版で、まるで新手の変態SM器具のような突起物が、ポートからビニョ〜ンと飛び出している。
我々夫婦は、これを「ゾウムシ君」と名づけることにした。
おそらくこの手のレンズで撮られているのだろうなぁ、と思える写真を印刷物でチラホラ目にするようになっていたので、製品化されているらしいことはわかっていたのだけれど、早くもコスゲさんは我が物とされていたのだった。
このレンズを向けられる魚たちの気持ちはいかに……。
自身がカメラの矢面に立って、コスゲさんがこれまで以上に魚の気持ちがわかるようになられたのはいうまでもない。
ところで。
この撮影の一環で、普段あまり行かないところでも潜ってみたのだけれど、そのおかげで思わぬ発見があった。
サンゴがメチャクチャ復活している!!
その回復ぶりの一部をここに。




リーフの上が一望この状態。
ややミドリイシに偏ったきらいがあるとはいえ、昨年までのサイズと比べたら、ほぼ倍くらいに成長している。テーブルサンゴなんて、直径が1m級のものなどざらだった。
ここ3年ほどで見違えるほどに復活を遂げてきた水納島のサンゴ礁なのだが、ここはすでに98年の白化以前のピーク時をも凌駕してしまっている。
白化以来、復活を待って待って待ってきた甲斐があったというものだ。
まさにこれ、待てば海路のクロード・チアリ。
このポイントに潜りに来ることはあっても、これまではリーフの上で時間を作ることはなかった。
しかし、これだけのサンゴが堪能できるのであれば、是非ともリーフの上にもご案内したいところだ………が、ここは普通に潜ると潜水時間が異常に長くなってしまうため、雑貨屋さんのオープン時間を左右してしまう。
なので、どうしてもここで潜りたいという場合は、残圧100で上がる、ということになるかもしれない。
それでもやはり一見の価値あり。
98年の白化が示してくれたように、美しいサンゴ礁は未来永劫不変の存在ではない。再び儚くも泡沫の夢となってしまわないうちに、是非このサンゴたちをお楽しみくださいませ。
…おっと、大事なことを書き忘れていた。
コスゲさんが登場する「海からのメッセージ」の放送日はまだ決定していないということながら、おそらく11月か12月になるでしょうとのこと。
もちろん、放送日が決まり次第、当サイトでお知らせいたします! |