Maybe・27
古宇利島の遠見番所跡

 古宇利島は本部半島ではない。
 ないけれど、今帰仁村に属すうえに本島と橋で繋がった以上、本部半島の一部に入れてしまおう。

 その古宇利島。
 古宇利大橋が出来てから、なんだかんだと年に一度は必ず古宇利島に来ているので、徐々に徐々に今っぽく観光地化していく様子がわかって面白い。

 コジャレた飲食店や、島外から引っ越してきた人たちの家であることがひと目でわかる作りのオシャレな家がかなり増えている。
 一周道路沿いでは造成中らしき空き地が目立ったから、今後もどんどん増えていくのだろう。

 そんな沿道の雑草が、キチンと刈り込まれているのには感心した。橋が架かる前から地元の方々がそうしていたのだろうか?それとも、橋が架かったことにより、行政サービスが行き届くようになったのだろうか?

 ところで、古宇利島民が暮らす集落はこの一周道路の沿線にはなく、道路の内側、坂を上がっていく方向にある。
 ただし橋が架かってからは、安易にドライブに来る我々のような観光客に、ひっきりなしに集落内を走られたらたまったものではないということで、一周道路から集落内には入らないよう注意書きができた。

 なのでこれまでは、一度も一周道路より内側へ車を進めたことはなかったのだが。
 オシャレな飲食店は、一周道路の内側区域にもいくつかできたようで、道案内の標識が随所にあった。
 入るな、来るなという看板が、どうぞ!ようこそ!に変わっているのである。

 そんな看板の一つに、「アマジャフバル農村公園」というのがあった。
 アマジャフバルってなんね??
 ジャフバル兄さ〜〜〜んと呼びかけながら、子供の頃のセイラさんが追いかけるところとか??<それはキャスバル。

 なにやら面白そうなので、標識に従いつつ、初めての道を行くと………。

 あった!(上の写真)

 おお、絶景かな絶景かな!!

 ここは、その農村公園の一画にある、古宇利火立所跡という史跡。
 この日は霞んでいたけれど、遠く水平線上には伊是名・伊平屋が見えていた。
 ところで、火立所ってなんね?って方は、これをお読みください。

 …って、駐車場入り口に火立所跡と書いておきながら、説明板には遠見番所跡って書いてあるあたりはご愛嬌。
 いずれにしても、先だって訪れた赤墓同様、このところ今帰仁村がやたらと力を入れている村内史跡整備の一環であることは間違いない。

 人っ子一人いないわりには、予想外に立派な場所だ。
 敷地を囲うように散策路があって、立派な東屋までしっかり作られている。ちょうどミスタードーナツを買っていたので、眺望を楽しみつつ休憩してみた。

 広い敷地の草木はキチンと手入れされていて、他に人がいるわけでもなく、うららかな日差しの下で眺める東シナ海を独り占め。二人だけど。

 ちなみに、遠くから来る船を見つけるためだけあって、おそらくここは、島の中で最も標高が高い場所と思われる。
 古宇利最高峰を制覇したのだ、フッフッフ。

 ただ気になることが一つ。
 すぐ隣の土地も造成されてあったのだけど、そこに「売り地」の横断幕が。
 こんな眺めのいい史跡のすぐ脇に、ヘンテコな建物でも建ってしまったらやだなぁ……。
 実際、さらにその隣では立派な建物が建造中だったから、普通に不動産屋で売買される土地なのだろう。こういう素敵な史跡を整備するのなら、どうせだったらそういった周辺の土地も買ってしまえよ、今帰仁村……。

オススメ時間帯
水平線がクッキリ見える、真夏や雨降り後の晴天時なら、
遠く伊平屋・伊是名まで見渡せて、見晴らしのよいことこのうえない景色になる。