海のなんじゃこりゃ?

其之二十七

うまい棒イタダキ

 ハマクマノミが住処にしているタマイタダキイソギンチャクといえば、誰もがフツーに目にするイソギンチャク。

 でも、このタマイタダキイソギンチャク、なんだか変なんです……。

 ご存知のとおりイソギンチャクにはたくさん種類があるけれど、ほとんどの場合、その触手はどれも同じ太さ&長さでまとまっている。

 ところがこのタマイタダキイソギンチャクときたら、中央付近の1本だけが、なぜだか通常の10倍増しくらいに膨らんでいるのだ。

 フツーサイズのハマクマノミのオスと比してこのサイズ。

 よりにもよって、この異常(?)に最初に気づいてくださったのが下ネタ大好きゲストのブラックSさんだったため、その後の彼の盛り上がりようときたら………。

 もっとも、ここまでになっていたら、世の男性諸氏が考えることといえば、ブラックSさんじゃなくとも行き着く先は同じであろう。

 なのでタイトルも「馬んごつ太かイソギンチャク」にしたいところをグッと堪え、上品にうまい棒イタダキに押しとどめるには強い意志の力が必要だった。

 ところでこの異常スタイルタマイタダキ、ここだけにとどまらず、その後他の場所でも同じようになっているのを目撃してしまった。

 夏を迎える前には元どおりになっていたうまい棒イタダキ、これはこの年かぎりの異常なのかと思いきや、最初に見た2012年春以降、初見時とまったく同じイソギンチャクが、2016年、そして今年(2021年)と、同じように1本の触手だけ太くなっていた。

 いったいぜんたいなんじゃこりゃ??