水納島の魚たち

ゴマチョウチョウウオ

全長 10cm

 なんだか冴えない名前のせいではないのだろうけど、海中で出会ってもあまりダイバーたちの記憶に残らない地味なチョウチョウウオだ。

 もっともこのゴマチョウチョウウオは、リーフ上やリーフエッジ付近にいるので、船からドボンとエントリーしてそのまま沖に向かってしまったらなかなか出会えない。

 なので、たくさん潜っておられるのにご存知ではない、という方もいらっしゃるかもしれない。

 出会ったことがなかったり記憶にとどめたことがないという方にとっては、むしろこのゴマチョウチョウウオは新鮮に見えるはず。

 リーフ上の浅めのところをペアで泳いでいるので、これまで認識したことがなかった方は、是非ご覧くださいませ。

 ちなみに500円玉サイズくらいの幼魚はこんな感じ。

 チョウチョウウオ類の幼魚によく見られる眼状斑がないので、色柄はオトナとほとんど変わらない。

 オトナですら観られる場所はせいぜいリーフ上くらいまでの浅いところだから、幼魚と出会えるとしたら、もっと浅い場所、すなわちリーフの中のほうがチャンスは多い。

 チャンスは多いといっても、リーフの中で出会う機会が多いアケボノチョウアミチョウに比べると個体数は少ないのか滅多に会えないので、500円玉サイズでも思わず「おっ!」となって撮ってしまう。

 名前は冴えないけれど、幼魚はわりと可愛いゴマチョウなのだった。