水納島の魚たち

ヒトミハタ

60cm(写真は30cmほど)

 50cmを超えるハタの仲間たちとなると太公望たちの対象になることから、画像検索すると釣果の写真が圧倒的多数を占めるようになる。

 大きくなるハタで、おまけにこのテの石垣模様系となれば、ダイバーであっても水産資源としか見ていないヒトもいるかもしれない。

 似たような模様の種類が多いため区別しにくいから、なかなか馴染みの魚にはなれないということもあるのだろう。

 けれどヒトミハタには、我々シロウトでも見分けられる特徴が2つほどある。

 ひとつは、鼻筋(?)がポコッと盛り上がるところ。

 これは他のハタには見られないらしい。

 ただしその「ポコッ」は顕著というほどではなく、↑この写真なんかもワタシがそう思っているだけで、ホントは違うかもしれない…という危険性(?)を孕んではいる。

 ふたつ目は、背中に出てくる黒い斑紋。

 同じような模様でありながら、なぜかそこだけ色濃くなるのだ。

 ただしこれもクセモノで、他のハタ類同様ヒトミハタも体色の濃淡を自在に変えられ、全体的に薄くなっているときこそ黒い斑紋がわかりやすくなるけれど、全体的に濃くなっているときは…

 全然わからなくなる。

 もっとも、↑これはヒトミハタではありません、なんて話になると身もフタもないのだけれど、これがヒトミハタなのであれば…

 ↑これもヒトミハタなのだろう。

 太公望たちが自慢げにアップしている釣果のヒトミハタはどれも大きいものばかりながら、水納島で出会うものは30cm前後といったところで、リーフ際や根の暗がり付近に鎮座している姿をときどき見かける。

 写真を見てさえホントにヒトミハタかなぁ…と迷うくらいなうえに、そう頻繁に会えるわけでもないから、いったい彼らが普段どのように過ごしているんだか、まったく知らない。

 ま、美味しけりゃそれでいっか…。

 シガテラキャリアーの危険性があるとされています。