全長 3cm
ぐずついたお天気が続く6月(2026年)、昼食後にカモメ岩まで散歩をすると、潮がいい感じで引いていた。
そこかしこにできているタイドプールには、ホントに水溜まり程度のものもあれば、それなりに深さがあってサンゴまで成長しているようなものもある。
バスタブほどの大きさのタイドプールでも、生き物好きのお子さんなら(オトナも)、しばらくそこに居っぱなしになるかもしれない。
他の稿でも何度か紹介しているように、こういうところを覗いてみると、妙チキリンなゴカイ類や貝、棘皮動物、エビカニ類、そして魚たちなど、意外に様々な生き物を観ることができるのだ。
浅場を好む各種ギンポもタイドプールの常連で、ヘビギンポの仲間もけっこう多く、6月の梅雨時には婚姻色を発している小さなヘビギンポの仲間がチラホラ観られた。
初めてその存在に気がついた気がするこの3pほどの小さなギンポは、後刻調べてみたところクサギンポという種類だった。
タイドプールができるような浅いところに暮らす種類だから、ボートダイビングばかりしているとまずお目にかかれないギンポでもある。
しかしこのギンポも、タイドプールで溺死体のようにジッとして写真を撮る変態マクロダイバーさんたちには、すっかりお馴染みの魚だったりする。
というのもこのギンポは、こうして婚姻色を発している時に、メスに対して求愛ダンスを見せてくれるのだ。
上に飛び跳ねてシャチホコポーズを何度も繰り返す様子は真横から見てこそなんだろうけれど、あいにく水面越しに覗いているため真横からというわけにはいかない。
それでもやはりその動きが面白かったので、動画で撮ってみた。
けっこう張り切ってピンコピンコしているでしょ。
ちなみに彼の求愛対象はこちら。
オスがダンスをしていると、どこからともなくヒョコヒョコと現れてくるこの子が「メス」だと思うのだけど、ただでさえ目立たないところにひときわ不鮮明な写真でゴメンナサイ。
後日桟橋脇で潜っていたオタマサが、ノーマルカラーを呈しているクサギンポのオスではないかと思われるギンポと出会った。
このテの似たような小さいギンポってたくさんいそうだから、ひょっとすると別種かもしれないけれど、たとえ別種だとしても、おそらくクサギンポのオスは↑これとほとんど変わらないと思われる。
こんなのが岩肌にピト…っとくっついていたところで、タイドプールの水面越しに気づけるかどうかは甚だ心もとない。
婚姻色を発してダンスを披露してくれていなければ、ワタシは一生その存在に気がつかないところだった。
婚姻色は、メスを誘うだけではないのである。