全長 100cm(画像は鉛筆ほどの太さの幼魚)
サーチすると何かしら「おっ!」となるクリーチャーと出会える砂底を、久しぶりに徘徊してみることにしたのは、うららかな日差しが肌に心地よいとある春の日のことだった。
ともすれば不毛に終わることもある砂底徘徊だけど、ゲストをご案内しているわけじゃなし、思う存分徘徊してみよう…
…と思っていたところ、さほど徘徊するまでもなく、いきなり「おっ!」となるお魚さんが登場してくれた。
ファーストコンタクトはこれくらい離れていたので、HBのトンボ鉛筆ほどの細さの魚が顔を出している様子から、一瞬アキアナゴかなと思った。
でも近年とみに浅いところへの進出が著しいアキアナゴとはいえ、水深15mほどのところまでしゃしゃり出てきてはいまい。
顔の周りには点々模様もあるようだし、ひょっとして知られざるガーデンイールの仲間なのでは…。
期待してそぉっと近寄ってみたところ、イールはイールでもモレイイールなのだった。
近寄ったらいったん引っ込みかけたものの、顔だけ出したままだったので、少し後退して観ていたら↑ここまで身を出してくれた。
このまま待っていたらもっともっと体が出てくるかな…という期待ははずれ、マックスこれくらいで終了。
ところで、海中では点々に見えていた顔の模様は、後刻PC画面で見てみると実際はこうなっていた。
「モーニング娘。」の「。」が並んでいるのだ。
< 句点といえばいいんじゃ?
こんな不思議的模様のウツボなんて、見たことあったっけ…。
グーグル先生を頼りつつ調べてみたところ、どうやらこれはモヨウタケウツボというらしい。
句点模様にはまったく記憶がないものの、モヨウタケウツボという名には覚えがあるような気がする…。
当サイトお魚コーナーの「ウツボの仲間」には見当たらないし、拙日記サイトで「ブログ内検索」をしてもまったくヒットしないところをみると、少なくとも2011年11月以降には一度も話題には上げていない。
ということは、それ以前にどこかで誰かが出会って撮った画像を、なにかのおりに見せてもらったのかな?
とにかくワタシ自身は人生初遭遇であるっぽい。
ネット上の情報によると、このウツボはアセウツボのように潮間帯をはじめとする浅いところを好むらしく、成長すると1mにもなる種類らしい。
まさかこの細さで1mもあるはずはなかろうし、この子はきっとモヨウタケウツボのチビターレに違いない。
このファーストコンタクトが、モヨウタケウツボの人生最小記録となるのは間違いなさそうだ。
ちなみに彼らはトンガリホタテウミヘビのように日中はいつも砂底から顔だけ出しているというわけではなく、ネット上の画像を見る分には全身を出している状態で撮影されていることのほうが遥かに多い。
相当浅いところが主生息域だけに、通常のボートダイビングで出会う機会は少なそうだから、そもそもレア扱いと思われるモヨウタケウツボ、その砂から顔を出しているところというのはさらにレアなのでは…。
これだけでもう、砂底を徘徊した甲斐があったというもの。
めでたしめでたし。