全長 7cm
どこに潜っても観ることができるスズメダイたちは、ひとつひとつの種類がクローズアップされることはほとんどない。
だからといって居なくなってしまったら、それはそれでとっても寂しくなることは間違いない。
スズメダイ類には、なにげないけど欠かせない、そんな種類が多い。
水納島の場合、このササスズメダイもそんな存在だ。
ウミシダやイソバナのそばで複数が集まっていることが多く、それほど浅くなくかといって深くないところでフツーに観られる。
1匹1匹はどちらかというと地味だから、幼魚マニアでもないかぎりカメラを向けるヒトも少ない。
でもイソバナに寄り添っているときれいだし…
ウミシダのそばにも居てくれる。
その傍を離れることなくジッとしていることが多いお利口さんだから、こういう写真を撮りやすい。
このように何かに寄り添ってばかりいるわけではなく、中層で食事をしていることもある。
拠り所から離れ、けっこう無造作に姿を晒して食事をしているササスズメダイたち。
しかしそれは危険と隣り合わせでもある。
虎視眈々と隙を狙っていたミナミアカエソに……
まんまとゲットされてしまったササスズメダイ。
体色が地味であろうと派手であろうと、ウカツなモノが餌食になる厳しい海の掟。
だからこそ、基本的に明るい色をしているササスズメダイも、場合によってはけっこう濃くなることもある。
なるべく目立たないようにするためのひっそりモードということだろうか。
中層に単独でいる時でもダークになっていることもあるようながら、基本的に海底が岩場など暗めのところにいるササスズメダイは色が濃いようだから、環境に合わせて自在に変化させられるのだろう。
たとえ濃い目でも、背景がイソバナだとなかなか美しい。
オトナとチビターレでは劇的な体色の変化はないけれど、やはり幼魚のほうが可愛い。
さらに小さい頃は、ホントにササスズメダイのチビターレなのかどうか、自信が無くなるくらい可憐だ。
※追記(2025年4月)
実は長い間↑このチビチビはタカサゴスズメダイのチビターレだと信じていた。
であれば、↓これはどっちなんだ?
…と悩み苦しんだものだったのだけど、どうやらどちらもササスズメダイのチビチビらしい。
本文中でも触れているように、ササスズメダイは基本的に何かに寄り添うのが好きらしく、それがチビチビたちとなるとなんにでも寄り添っている。
この中にひょっとしてタカサゴスズメダイのチビターレが混じっていたり?…という不安がなくはないものの、ムチカラマツに寄り添っているオトナだって…
…ササスズメダイにタカサゴスズメダイが混じっているくらいだから、もはやチビターレでササかタカサゴかと悩んでいてもしょうがないのだった(※個人の能力です)。