全長 30m(写真は15mmほどの幼魚)
水納島の周りにはトビウオがけっこういて、凪いでいるときに北側のリーフのコーナーに沿ってボートを走らせていると、船の脇から次々に若いトビウオたちが発進していく。
その様子はなんだか、ボートからフレア(熱誘導ミサイル攻撃を受けた飛行機がミサイルをご誘導するために発射する火の玉)を発射しまくっているかのようで、ボートを走らせている側からするとけっこう楽しい。
もう少し沖に行くと、水中から飛び出て滑空するトビウオは成魚サイズになり、その滑空距離もビックリするほど長くなる(100mは飛んでいるんじゃなかろうか)。
一方、若魚たちはリーフ内に入っていることもあるらしく、季節風が吹いた冬の朝、ボートの上や桟橋上でトビウオ若魚が一夜干しになっていることもある。
強風吹きすさぶなか、何かに追われて飛び上がったのはいいけれど、風に煽られて方向を誤り、ボートや桟橋の上に着地してしまうようだ。
ことほどさように、トビウオは水納島でもわりといつでも会える馴染みの魚ではある。
ただ、いかんせんボート操船中に飛行中のトビウオを撮ることなど不可能だし、だからといって干物の写真だけってわけにもいかないし…ということもあって、これまでずっと当お魚コーナーへ登場できずじまいでいた。
かつてリーフエッジ付近の水面に、トビウオの若魚が胸ビレをヒラヒラさせて集まっていたことがあるような気がするものの、基本的にトビウオを水中で撮るなんてまず無理、かくなるうえは、洋上を滑空する様子をなんとか撮るほかない…
…と思い続けて早20年、いまだ実現するチャンスはない。
ところが、近年は避暑地認定されるほどの沖縄でさえ「猛暑日」に見舞われるようになった今夏(2026年)、ついにトビウオを水中で観る機会が巡ってきた。
もっともワタシにとっては、最初はバケツの中にいたものだった。
というのも、ひととおり潜り終えてボートに上がると、珍しく一足早く上がっていたオタマサが、興奮気味にバケツの中身を見せてきたのだ。
オタマサによると、エキジットしようとボートに戻ってきたら、ボートに寄り添うように小さな魚が浮かんでいたという。
マスクですくえるほどのんびりしていたというその魚は、上から見るとアオミノウミウシのようなフォルム。
これはどうみても…
トビウオのチビターレだ!
ワタシはラダーにつかまっていただけでまだボートには上がっいなかったので、放流ついでにそのチビターレを「海中」で撮ってみることにした(今から思えば、とりあえずバケツの中にいる間に真上から撮っておけばよかった…)。
チャプチャプ揺れる水面にいる1pそこそこの小さな魚を水面下から撮るなんてのは簡単なように見えて実は至難のワザで、正直に言うとこのとき2匹のチビターレがツーショットになっていることにすら撮っている本人は気がついていなかったりする。
冒頭の写真など、撮った本人がまったく意図していないのにどちらも同じ方向を向いてシンクロしているのだから、もはや神懸かりといってもいいかもしれない(といいつつピントは甘い)。
ただ、これらの画像ではトビウオのトビウオたる所以である胸ビレがあまり目立っていないので、放流直後ボートに寄り添っていた際に撮った露出オーバー画像を見てみると…
お腹の下にある1対のヒレは尻ビレで、頭の上の方に伸びているのが胸ビレ。
こうして見るとトビウオっぽいフォルムながら、さすがにヒレがこんだけ小さいと、まだ滑空はできないのだろう。
その小さなヒレを広げた姿を真上や真下から見るとかなりかっこよかったのに、残念ながら記録には残せなかった…。
ところで、トビウオにも種類がけっこうあるらしく、世界で50種ほど、日本だけでも30種近いトビウオがいるという。
そんな数多いトビウオ類のうち、このチビターレが何トビウオなのかはまったく知らない。
またほぼ同じサイズのチビターレなのに、黒っぽいのと白っぽいのと体色がまったく異なるのは、種類が違うのか同種の個体差なのか…ということも不明だ。
仕方がないのでここでは「トビウオ」ということにしているけれど、ザ・トビウオ(ホントビウオ)かどうかについてはわからないままなので、そのあたり誤解なきよう…。
なにはともあれ初トビウオ海中写真、晴れてお魚コーナーに登場!
となれば、なおさら撮りたいトビウオ滑空写真。
気長に追記をお待ちください。