14・すべての終わりに

 運天港に無事到着後、名護経由で本部を目指した。
 遠回りだけど本屋さんに寄り、そのあと眺めのいい喫茶店で軽食を。


撮影:オチアイ

 ……って、この向きだと眺めがいいってのがわからないじゃん。

 ……背景が飛んでしまってんじゃんッ!!
 本当は向こうに水納島が見えているんです……。

 とまぁそういうわけで、半分しか食べるつもりのなかったイカ墨パスタを結局全部食ってしまった。
 ↑なにがそういうわけなんだ?

 最後にまたコンビニに寄り、例によっていろいろ買い物をするリョウ君。
 なんでこの期に及んでワンタンメンのカップ麺を買うのだ??
 …といいつつ。
 僕もついついあるものを買ってしまった。
 一目見て衝動買いしてしまったのである。
 これを……。

 呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ン!!
 「ハクション大魔王の壷」ライター。
 伊平屋まで行って、1泊してきて、ついに買った思い出の品が渡久地港近くのローソンで売られているハクション大魔王の壷ライター……。そんなことでいいのか?
 いいのである。

 渡久地港に着くと、日曜日の最終便ということもあって先生方も帰ってきていた。
 学校を通した企画ではないものの、さすがに我々がこの週末伊平屋に行っていたことはみなさんご存知だ。
 そんな先生方に、リョウ君が興奮気味に話していた。

 「何勝何敗だったと思う?」

 そうだリョウ君、君は頑張った。
 あんなに何試合も集中力が持続するリョウ君なんて、ひょっとすると先生方は見たことがないかもしれないぞ。
 中学生相手に5勝1敗なのだから、大したものだ、ストロングだ!!

 さあ、おうちへ帰ろう。船に乗ろう。
 ついにここまで持ってきたグッズも忘れちゃダメだぜ、リョウ君。

 
この巨大なものをはじめ、彼のバッグの中には大量の石が。
ガンダルフの杖は最後まで活躍していた。

 こうして、我々の長いようで短かかった伊平屋遠征は無事終了した。
 中学生の姫はともかく、たった一泊とはいえ、親元を離れることになるリョウ君がはたしてどうなるか、実はホンの少し心配していたのだけれど、それはまったくの杞憂だった。
 いつ電池が切れるだろうと我々が心配していた彼のテンションは、ついに最後の最後まで持続したのだから。
 後日リョウ君の父ちゃん・オサムさんにうかがったところによると、この日のリョウ君は家に帰った途端パタンキューで爆睡したらしい。
 そりゃそうだろうなぁ…。

 姫もきっとかなり疲れていたことだろう。
 翌日は普通に学校があるだけに、そういう意味では申し訳なかった。散歩が最も響いていたかもしれないだけに……。
 でも、楽しかった!と言ってくれたその一言が、他の誰に何を言われるよりも僕の明日への活力になった。
 よかったよかった……。

 今回の冗談のようなこの企画を実現するにあたり、最も重要なことは、キッズが本当に行きたいか、そして保護者のみなさんがそれを許してくれるか、ということだった。
 そもそも僕らがただ単に伊平屋に遊びに行ってみたいというだけの話なのだから。

 でも、キッズたちも保護者のみなさんも、旅行後口を揃えて「ありがとう」と言ってくれた。
 いえ、違うんです、僕のほうこそみなさんにお礼を言わなきゃならないんだ。
 キッズたち、付き合ってくれてありがとう!
 保護者の皆さん、大事なお子さんを僕らに預けてくれてありがとう!
 そして海神様、おだやかな海況をありがとう!!

 この駄文雑記を書き終え、この遠征が楽しかったことをあらためて噛みしめている今はただ、深い感謝の気持ちで一杯です。
 そしてこれに懲りずに、またの機会があったらまた是非ご協力ください。

 さあ、次はどこに行こうかなぁ!

対戦相手募集!!
 迎えてくださるのであれば、どこへでも参上します。
 もちろんお車代は大歓迎ですが、自前で行く気満々です。
 
特典
このような形の旅行記として末代まで記録に残ります!

…ただしオフシーズン限定…