水納島の野鳥たち

ビンズイ

全長 15cmほど

 カシラダカコホオアカの稿で触れているように、2021年秋~2022年春の期間の冬鳥シーズンは、尾羽白帯模様バードの正体がかなり気がかりになっていた。

 コホオアカが庭先でエサを物色している姿を見て、その年目にしていた尾羽白帯模様バードはコホオアカだった…かどうかを確めるべく調査に乗り出したところ(散歩しただけともいう)、いきなり冒頭、家からすぐの十字路のところで尾羽白帯模様バードが3羽ほどいた。

 ワタシの接近を察知してすぐに飛び去ったものの、ほど近いところに舞い降りたようだから慎重に近づいてみた。

 ともかく顔を見るべし、ということをコホオアカで学習していたので、字義どおりの草葉の陰からまずご尊顔を…

 背中からも…

 そして横から。

 オリーブ色の体色、そしてお腹や背中の模様、それに眉毛のような特徴的な顔の模様…

 これらの特徴をもとに調べてみたところ、どうやらビンズイのようだ。

 人生初遭遇。

 最初に飛び立った時にはハッキリ見えた白帯模様の尾羽は、飛んでいないときは尾羽を閉じているためまったく別のものに見える。

 まさか、飛び立ってから舞い降りた際にビンズイとコホオアカが入れ替わっていたりなんてことはなさそうだったし、このとき3羽ほどいて、少なくともそのうち2羽はビンズイだったことが画像記録に残っているから…

 この直前に飛び立って白帯模様の尾羽を見せてくれたのは、やはりビンズイだったのだろう。

 となれば、この年気になっていた尾羽白帯模様の鳥さんたちは、実はビンズイである…

 って、毎回異なる種類と出会うたびに、尾羽白帯模様の鳥さんの正体が変わっていく気が…。

 でも、この稿をアップしてから気がついたので慌てて訂正しているのだけど、ビンズイってホオジロ科ではなくてセキレイ科の鳥さんだった。

 言われてみるとクチバシの形がホオジロ科の鳥さんたちより細長い。

 …ってことは、飛び立った時に尾羽が白帯模様だったのは、別の鳥だったのか?

 同じような場所に同じようにいると、肉眼ではクチバシの細さなんて確認できないし、いくら科が異なるといったって、そもそもカシラダカのヘアセットがノーマルになっていたらビンズイと見分けがつくのだろうか…とふと疑問に思ったので両者を見比べてみた。

 ご覧のように、ビンズイの胸には破線状の黒い模様が散りばめられているのに対し、カシラダカにはそれがない。

 なるほど、これならたとえカシラダカのヘアセットがおとなしくなっていても、両者を見分けることができる。

 しかしそのためには胸周辺もちゃんと観なきゃならないわけで、ちょっと飛んでは背中を見せながら少しずつ離れていく鳥さんたちの正体など、後ろから観てわかるわけないじゃん…。

 追記

 そういえば2015年の1月に金沢を旅行したあと立ち寄った京都では京都御所も散歩してみたのだけれど、広い広い御所のお庭でビンズイに会っていたことを思い出した。

 当時は初遭遇だったからこういう鳥さんか…と思っただけだったビンズイ、今こうして水納島で撮ったものと見比べてみると、緑色っぽさが全然違って見える。

 御所だけに、色味もすっかり雅になるのかな?

 追記(2026年5月)

 それまで全然姿を見かけなかった旅鳥たちが、突然ドッと姿を見せてくれたのは4月下旬(2026年)のこと。

 ただ耕されているだけの耕作放棄地で、集団で食事していた。

 近寄ると飛び去ってしまうものの、周辺の未舗装路(草地とほとんど変わらない)と併せてエサ場にしているらしく、その後も近くを通りかかると姿を観ることができた。

 合計20羽以上いるように見えた鳥たちは、いくつかの似たような種類の混成集団のようで、そのひとつは…

 …ビンズイだった。

 未舗装路とはいってもけっこう草が生えているからほとんど開けた草地と変わらない場所で、それぞれがエサを探している。

 でもワタシ(が乗っている軽トラ)の接近を察知すると、路上から沿道にとりあえず避難するんだけど、軽トラだとそれほど警戒しないからか、路上からいったん離れてちょっと高い場所に行くだけ。

 ↑これなど軽トラからすぐの場所ながら、心配ないと判断すると、ビンズイはここからスルスルスルと降りてきて…

 …お食事を再開した。

 このように草に紛れて食事をしているビンズイがこのときは未舗装路上にたくさんいて、そこにアオジカシラダカなどの他の鳥さんたちも混じっていたようだ。

 そんな4月の旅鳥フィーバーもほんの束の間のことで、月が変わる頃には全員姿を消し、元の静寂が戻ったのだった。