水納島の野鳥たち

コムクドリ

全長 20cmほど

 2018年の9月末から10月初旬にかけて、2つの台風が続けざまに襲来しててんやわんやだった。

 先に来たほうは久しぶりのストロングスタイルの台風で、島内の随所を破壊しつくしていった。

 そのストロングスタイルが去り、次の台風が早くも迫るなか、1日だけ連絡船が運航できるほどの安楽日が訪れていた日のこと。

 我が家近くの電線に、見慣れない小鳥の集団が止まっていた。

 サイズはイソヒヨドリくらいだけど、イソヒヨドリはこのような集団になることはない。

 これくらいの集団といえば…ひょっとして?

 これを見て、ワタシはムクドリだと思ってしまった。

 当時はまだムクドリが島内で羽を休めている様子を目にしたことは無く、人生初ムクドリとばかりに勝手に盛り上がって拙日記コーナーで紹介したところ、ころんたさんから「コムクドリではないか」とご指摘をいただいた。

 恥ずかしながらコムクドリなどという存在などまったく知らなかったので、さっそくネット上で調べてみたところ、まるっきりコムクドリであることが判明。

 人生初ムクドリ改め、人生初コムクドリ。

 あらためて観てみると、ムクドリよりも愛らしい顔をしているコムクドリ。

 コムクドリは夏場は北海道や本州北部といった涼しいところで恋の季節を過ごし、冬になると暖かなフィリピンやボルネオといった東南アジア方面で過ごすという。

 双方への渡りは春と秋に行われているわけだから、その途中に沖縄方面で集団で羽休めということのようだ。

 ただでさえ長距離移動で大変な渡りの際に本格派ストロングタイプの台風に当たってしまったコムクドリとしては、ホントにホントの「羽休め」だったのだろう。

 コムクドリとの遭遇は今のところこの時が最初で最後になっている。

 再会のためには、渡りの季節に再びストロングスタイルの台風襲来が必須ということ?

 追記(2023年11月)

 今年(2023年)10月、朝早い島の上空を、一群の鳥さんたちが飛んでいた。

 このサイズと形からして…ムクドリたちかな?

 都合よく我が家のすぐそばの電線に止まってくれたので、すぐにコンデジを手に取り、群れの一部をパシャ。

 せっかくの順光アングルだというのに、こんな小さな島にどんだけ張り巡らせれば気が済むんだよってくらいの電線が邪魔なことこのうえない。

 そこで数羽に絞って撮ってみたところ…

 …この群れは、ムクドリ(右)とコムクドリの混成部隊であることがわかった。

 混成とはいっても種類の異なる両者が身を寄せ合うということはなく、同じ電線に止まっていてもこれくらいの距離は置いていた。

 一方同じ種類同士だと…

 仲良く寄り添っているものたちも。

 このあとカメさんのエサ採りのため彼らの下を通りかかると、警戒した鳥さんたちは一斉に飛び立ってしまった。

 その際2グループに分かれて逃げ去っていったんだけど、1グループはワタシの進行方向の電線に止まってくれた。

 今度はコムクドリオンリーになっていて、なおかつ警戒しているからか、みんなピト…と身を寄せ合っている。

 その下を通りかかると、さきほどより電線が高い位置にあるためか今度は飛び立ちはしなかったので、さらに近づいて撮ってみた。

 こうして見てみると、コムクドリの顔周辺の模様はかなりテキトーで、1羽1羽でまったく異なっていることがわかる。

 ちなみに、頬に目立つ茶色の斑があるのがオスなのだそうな。

 本文中で紹介しているように、コムクドリとは5年前に初遭遇したっきりで、その後一度も会っていなかった。

 当時はムクドリと勘違いして観ていたから、コムクドリと認識しつつ拝見したのはこれが初めてのことだ。

 そしてどうやらコムクドリたちは、ストロング台風が来ようが来まいが、渡りの時期になると水納島まで一時的に羽休めにくることもある…ということらしい。