水納島の野鳥たち

ツグミ

全長 24cmほど

 畑仕事をしていたオタマサが、ジョビコことジョウビタキのメスが、畑作業中のオタマサにつきまとうようになっているという。

 ジョウビタキはエサとなるいろいろな虫が畑作業中に出てくることを学習するから、個体によっては畑でオタマサとオトモダチになるものもいるのだ。

 せっかくだから久しぶりにジョウビタキでも撮ろうと思い、さっそくテケテケと旧マサエ農園畑1号方面まで歩いてみたところ、旧畑1号のお向かいに当時あったジュンコさんの畑に、ジョウビタキではない見慣れない鳥さんの姿があった。

 その場ですぐさまなにかはわからねど、これまで島で観たことがない鳥さんであることは間違いなさそうだ。

 はて、なんだろうか。

 調べてみると、これはツグミだった。

 ジョウビタキと同じく、沖縄には冬にやってくる鳥らしい。

 それまでも毎冬島に居たのに気づかなかっただけなのか、それともこの時がこの20年(当時)で初めての飛来なのかは不明ながら、その後は少数ながらも毎年姿を確認できているツグミ。

 初めて出会った2014年当時は島内の耕作面積が急にワッと増えていたから、農耕地を主な餌場とする野鳥を呼び寄せていたのかもしれない。

 もっとも、ワッと増えた島内耕作面積は、同じくらい急激にシュッ…と減少してしまったため、現在も渡ってきているツグミたちは、当初にいい思いを経験した子たちだけかもしれない。

 ツグミはイソヒヨドリほどのサイズで、開けた草地や耕作地にいるものだから、遠目でもわりと目立つ。

 我々にとって目立つということは、そこを縄張りにしている他の鳥さんからも目立つわけで…

 このような一等地は通年ここで暮らしているイソヒヨドリ(手前)の縄張りでもあるので、畑でエサを探しているツグミは、たちまちイソヒヨドリに追い払われてしまう(このあとすぐに追い払われた)。

 わりと肩身の狭い暮らしをしているのだ。

 そのため、電線の上にいることもある。

 イソヒヨドリの隙をつくべく、電線から下の様子を確認しているのだろうか。

 そういえばかつて五島列島は福江島を訪れた際、外堀公園の干潮時の堀でツグミに出会った。

 当時すでに水納島でも冬場に観られるようになっていたから、両者でなんとなく色味が異なるような気がしたのを覚えている。

 五島で見たツグミのほうが、なんだかふくよかできれいに見える気が…。

 同じように冬に渡ってきているのだろうけど、他の鳥さんたちに追われている様子は無かった。

 そのあたりの心の余裕の違いなのだろうか?

 水納島の場合、通年いてブイブイ言わせているイソヒヨドリは島内にたくさんいるから、どこにいても同じ目に逢うのだろう。

 ところで、ツグミは毎冬何羽くらい島に渡ってきているのだろうか。

 見かけるときはたいてい単独でいるのだけど、過去に1~2度だけ、2羽が一緒にいるところを観たことがある。

 でも3羽4羽とグループになっているのは目にしたことがない。

 このオフシーズン(2022年~2023年)に、突如即席へリポートを拵えるため、それまでずっと藪だったところが平坦な草地になった。

 救急搬送用のヘリポートだから、年に何度もヘリコプターが離発着するわけでもなし、冬ともなれば静かな暮らしが約束される平坦地でもある。

 するとさっそくツグミが、滞在中の縄張りにしていた。

 これだけ広い餌場があれば、来シーズンあたりはもう少し仲間が増えるかな?