


全長 40cmほど
直撃するわけではないのに、やたらと影響だけもたらす台風のせいで、全面的に時化ていた今年(2024年)9月半ばのこと。
ヘナチョコ台風を一応避けるためだったのだろうか、夕刻の桟橋散歩の際に、桟橋上に見慣れない鳥さんの姿があった。

遠目には小さめのサギかと見紛うほどに大きなシギの仲間で、その特徴的なクチバシから、おそらくチュウシャクシギと思われる。
何年か前に億首川の河口域で目にしたことがあるけれど、水納島では(個人的に)初記録だ。
1羽でいるとサイズ感がわからないけど、そばにいたシロチドリを追い払っていた様子を見れば…

…そのデカさがおわかりいただけよう。
チドリ類やシギ類はそのサイズのわりにけっこうけたたましい鳴き声で、チュウシャクシギは体がでっかいこともあってその声量はさらに大きく、ワタシの姿を察知して飛び去る際に、ボリュームマックスの声を聴かせてくれた。

どこまで飛んでいったのかは定かならなかったけれど、このあと裏浜にも足をのばしてみたところ、裏浜に出た途端、左奥の遠い干潟のあたりから、再びけたたましい声を発しながら、おそらくチュウシャクシギと思われる数羽の鳥が羽ばたいた。
どうやら独りぼっちじゃなかったようだ。
チュウシャクシギは沖縄県内では一部で冬の間ずっと滞在しているものもいるようながら、基本的に春と秋の渡りの季節に羽休めに短期間滞在する旅鳥ということになっている。
ということは、この日のチュウシャクシギたちは、秋になってどこからかやって来て、この日たまたま水納島で羽休めをしていただけだったのだろう。
この日の千載一遇の出会いは、ひょっとするとヘナチョコ台風のおかげかもしれない。
※追記(2026年5月)
これまでチュウシャクシギを見かけたのは、金武町の億首川と水納島の桟橋の2例だけながら、いずれも水辺だった。
ところが今年(2026年)4月下旬に姿を見せてくれたチュウシャクシギは、耕耘されただけの耕作放棄地でお食事中だった。
まさかそんなところにいるなどとは夢にも思わず、不用意に近づいたためにすぐさまチュウシャクシギは飛び去ったのだけど、しばらくしてから同じ場所を通りかかると、いつの間にか戻ってきていた。
それほどお気に入りのエサ場だなどとは思っていなかったから、この時も迂闊に近づいてしまったため、目と目が合った後あっという間に飛び去ってしまった。
でもその際に初めて、嘴が下方に向かって湾曲していることを確認。
その後裏浜に沿う未舗装路上でオタマサが目撃したというので、翌日ダメ元で軽トラで様子を見に行ってみた(多くの鳥さんたちは、歩いて姿をさらすより、軽トラで近寄った方が逃げない)。
すると、その未舗装路上に…

…チュウシャクシギの姿が。
都会にお住まいのみなさんにとっては、こういう島でこういう鳥が道を歩いていてもフツーに思えるかもしれない。
けれど我々からしてみれば、本来なら水辺にいるはずのわりと大きな鳥がこんなところを歩いているってのは、東京の街中をタヌキが歩いているくらいの、ある種童話的なシーンだったりするのだった。
※さらに追記(2026年5月)
4月下旬に姿を見せて以来…といっても2~3度しか遭遇していないけれど、いずれも水辺から離れた内陸(?)だった。
それが5月半ばになってようやく…
…水辺にたたずむ姿を観ることができた(同じ個体かどうかは不明)。
潮が引き始めた裏浜で、水面からポッコリ顔を出した岩で休憩していた様子。
よほどお気に入りの場所らしく、いったん羽ばたいて裏浜の先っちょのほうまで飛んで行ったのだけど、ターンしたあとすぐに戻ってきて、再び岩の上に舞い降りたチュウシャクシギ。
やっぱこのテの鳥さんは、水辺が似合うなぁ。