全長 15cmほど
カシラダカとコホオアカ、そして科は異なるもののけっこう似ているビンズイの登場をもって、水納島で通年観られるスズメやセッカに似た冬鳥たちは出尽くした…
…と安心しつつ、過去に撮った画像を振り返っていたところ、その年の冬鳥シーズン(2021年秋~2022年春)の初っ端に↓この鳥さんに出会っていた。
これは………誰だ?
これまたスズメ大でセッカ似の鳥さんながら、これまで観たことがある他の種類とは、こんな顔をしている者はいなかった。
背中はこんな感じ。
スズメ大のセッカ似の鳥さんで、脚が黒くてクチバシがピンクの種類というと…
…すみません、まったくわかりませんでした。
困り果てて拙日記にて例によっていつものごとく「テルアスプリーズ!」とお願いしたところ、識者から「オオジュリンではないか?」とご教示いただいた。
冬羽と夏羽がある鳥さんたちは、冬と夏とでまったくその色味が変わってしまうから、夏の姿だけを見ると全然違って見える。
また、完熟オトナと若いオトナでも、顔の模様などはときにビミョーに異なる。
それを踏まえつつ、冬羽のオオジュリンとして紹介されている画像をネット上で拝見してみると、なるほどかなり似ている。
オオジュリンには近似の仲間にシベリアジュリンとかコジュリンなどもいてややこしいのだけど、そのなかではオオジュリンかなぁ…というところながら、完全無欠の「ビンゴ!」には行き当らない。
冬のクチバシの色とか脚の色なども併せて見たかぎりでは、「完熟オトナになっていないオオジュリン」ってところかな…
…ということで落ち着きかけた。
でもいまひとつしっくりこないため、このCBIコーナーを作ってからもずっとペンディングしていたところ、グーグルの検索窓に画像を貼り付ける方法で画像検索できるという耳寄りな話を最近ようやく知ったワタシ。
ダメ元でホイッと画像をドラッグ&ドロップしてみたらば…
いきなり「ビンゴ!」に到達。
ファーストコンタクトからしばらく忘れ去られていたこの鳥さんは、ツメナガホオジロだった。
いやはや、グーグル先生ってスゴイ…。
ツメナガホオジロが世間でどういうポジションなのかは知らないけれど、少なくとも沖縄ではレアバードのようだ。
レアだけに図鑑に載っている写真も1枚きりで、ワタシが撮った写真とはまったく似ても似つかない鳥に見えていたのに、言われてみると背中の模様はまったく同じだ。
オオジュリンではどうもピンと来なかったクチバシの色や脚の色も、ツメナガホオジロならまったくその通りの特徴。
いやあ、10日ぶりの便通のようなスッキリ感!(経験したことはありません)
この時出会ったツメナガホオジロはオンリーワンで、未舗装路の道路脇の草むらでエサを物色していた。
当時はこの10日前にカシラダカを初めて認識したばかりで、たしかこの撮影時にはカシラダカと思い込んで撮っていたような気がする。
まさかその鳥さんが、現在のところ後にも先にも出会いはこの一度きりとなっているレアバードだったとは…。
ツメナガホオジロと認識して遭遇できる日が、来シーズン以降に訪れることを祈ろう。
蛇足ながら、このツメナガホオジロの正体を調べるに際し、ホオジロ科の鳥さんたちを説明してくれているサイトをいろいろ拝見したところ、ホオジロ科の鳥さんの多くは、尾羽の両脇に白い帯模様がある、という特徴を持っているそうな。
すなわち、これまで抱えていた「尾羽白帯模様の正体は?」というナゾの答えは、「ホオジロ科の鳥さんたちの誰か」までしかわかるはずはなく、それを持って種類の特定などできるはずはなかったのだった。