51・コロッセオ

 ローマといえばコロッセオ。
 ローマじゃなくてもコロッセオはコロッセオだけど、コロッセオがなかったらローマではない。

 ホントか?
 とにかくついに、永遠の都ローマの映像的代名詞でもあるコロッセオにやってきた。

 実はこのコロッセオ。
 現在とっても老朽化が進んでいる。
 そりゃそうだ、ヴェスパシアヌス&ティトス親子によって建設されてから2000年近く経ってるんだもの。
 なので、補修工事を行う必要がある……と言われ続けて幾星霜。
 が、イタリアにもローマにもお金はなかった。

 どうなるのだコロッセオ、このまま朽ちていく運命なのか??

 そんなとき、白馬の王子が登場!!

 ヨーロッパの一企業が、なんと補修補強工事の費用をほぼすべて負担するというのだ。

 その額、日本円にして28億円。

 売名行為だ、所詮パフォーマンスだ、などなど、いろいろ外野はうるさいかもしれないけど、目的が何であれそうそうできることではない。

 持てるものには公共に対する使命がある。

 ローマ時代以来の伝統が今も生きていると信じたい。

 よかったねぇ、コロッセオ。
 これでまた、次なる1000年もその姿のままで……。

 …って、ちょっと待った!
 その補修工事って、いつから始まるの???

 へ?2011年末から??

 セ……セーフ!!
 ここまで来て補修中のためコロッセオに入れないなんてのは、ショックでかいものなぁ。

 さあ、コロッセオに入ろう!!

 ……こっち側から観ると、なんだかみすぼらしいね。
 外壁を彩っていた数々の彫刻も大理石も、例によってキリスト教社会の世になってひっぺがえされてしまったそうなのだが、往時はこんなに立派な姿だったのだ。


以上3点、映画「グラディエーター」より

 今の世の中的感覚からすると、こういう闘技場における剣闘士のありようというのは、いかにも全時代的な残虐性に満ちた娯楽と捉えられがちだ。
 でもこんな立派なスタジアムで、詰め掛けた観衆を熱狂の渦に叩き込んでいた剣闘士たち。現代人がどのように同情しようとも、彼らにとってはおそらく血のたぎる熱い舞台だったに違いない。

 また最近の発掘調査によると、こういった闘技場から出土する猛獣の骨に見られる牙や爪には、ヤスリか何かで丸く削られた跡が残っているともいう。
 剣闘が健全な娯楽であった時代までは、我々が「残酷」と思うほどには、実際は残酷ではなかったのではなかろうか。

 入り口には、ウワサどおりスゴイ数の人の列が。
 でも僕たちはチケット持ってるもんねー♪

 ズラリと列を作る人々を尻目に、さっそく入場!!

 そして順路表示に従い、階段を登っていくと………

 ワォ………コロッセオ!!

 コロッセオに来て、「思ってたより小さかった」などという感想を抱く方もいらっしゃるみたいなのだが、いったいその人はどれほど巨大なものを想像していたのだろうか。

 めっちゃでかいじゃないか……。

 そのめっちゃでかい観客席跡を、反対側まで行ってみるとこう見える。

 丸印のところに……

 すいません、ワタシほんとにヘトヘトです……。

 そのあと二人も反対側に来て、正面から。

 そしてもちろんオードリー様も、ほぼ同じ位置からご覧あそばしているのであった。


ローマの休日より

 そうと知った父ちゃんもご満悦のようである。

 現在のコロッセオは、外側の壁が半分無くなっている。
 その切れ目の部分がテラス状になっていて、そこから外を眺めることができる。

 さっき我々がいたコンスタンティヌス帝の凱旋門だ。
 そのテラスの部分はこうなってる。

 実はこの場所、こういうシーンに出てくる。


ローマの休日より

 撮影者の位置が多少違うけど、このシーンはまさにここ。
 ただ、フェンスの位置が現在のほうが奥に引っ込んでいるあたり、コロッセオの老朽化を物語っているのだろう……

 …と思っていたら。
 どうやらオードリー様ご一行は、我々がいたフロアのひとつ上の階にいたらしい。
 でも上に行けそうな階段は、全部上がれないようになってたんだけどなぁ……。
 昔は行けたってことか??

 とまぁそんなこんなで、コロッセオで本来じっくり味わうべき方向性とはややベクトルを異にしてはいたものの、それなりに楽しいコロッセオ見学なのだった。

 そして次は。
 もちろんあそこ。
 「ローマの休日」ときたら、絶対はずせない「あそこ」に行こう!!