エビカニ倶楽部

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テッポウエビアンノンズ

体長 5~30mm

 何度か触れているように、小さなエビカニたちは、別の動物を拠り所にしていることが多い。

 棘皮動物はいろいろなエビカニたちの宿主になっているから、ヒトデ、ナマコ、ウミシダあたりは、エビカニラバーなら見逃せない要チェックポイントだ。

 平和にのどかに暮らしているそれら棘皮動物にとっては甚だしく迷惑なことだろうけど、海底にポコン…と佇むマンジュウヒトデなど、「どうぞ引っくり返してください…」と言わんばかりに見える(※個人の感想です)。

 マンジュウヒトデには、変態系クリーチャーのウロコムシなんてものがついていることもあるけれど、そこで暮らしているエビといえばご存知ヒトデヤドリエビ

 ヒトデヤドリエビは宿主の色に合わせて体の色を変えるから、体色のバリエーションが豊富なので、何度撮ってもまた撮ってしまうエビのひとつでもある。

 ある日いつものよういポコン…と海底にたたずんでいたマンジュウヒトデに近づいてみると、引っくり返す前から表にエビが載っていた。

 ヒトデヤドリエビにしてはやけにでっかいなぁ…と思ったら、それはテッポウエビの仲間だった。

 テッポウエビがマンジュウヒトデの上にいるなんて、絶好のシチュエーション!とばかりに慌ててカメラを構えて2~3カット撮ったら、件のテッポウエビはすぐさまマンジュウヒトデを離れ、どこかへ行ってしまった。

 たまたま載っていただけで、マンジュウヒトデにはほぼ執着していなかったらしい…。

 後日別の場所でまったく同じようにマンジュウヒトデの上に載っていた。

 この時も2カットほど撮るか撮らないかのうちに、すぐさまどこかへ去ってしまった。

 この執着のなさぶりから察するに、このテッポウエビは本来は石の下やくぼみにいるけど、たまたま通りかかったマンジュウヒトデにそのままくっついていた、ということなのかもしれない。

 ひょっとすると感触フェチダイバーと同じく、「マンジュウヒトデの触り心地が好きで……」という妙な趣味の持ち主だったとか?

 以上は冒頭で並べている4枚のうちの2番のエビちゃんのことなんだけど、マンジュウヒトデで観られる、という明確な特徴があるのならまだしも、たまたま載っていただけ、しかもこれといって他に特徴が無いテッポウエビの仲間の正体などまったくわからない。

 マンジュウヒトデの表面上で観られたといえば、1番のエビちゃんも同様だ。

 ただし朧げな記憶によれば、1番はマンジュウヒトデを引っくり返したときに裏側にいたものだったから、2番のような感触フェチ(?)というよりも、死サンゴ石と同じように物陰として利用していただけかもしれない。

 観た感じでは2番と同じ種類ではないだろうというところまではわかっても、では誰?ということになるとまったくお手上げだ。

 3番あたりになると、お手上げ度は一気に急上昇する。

 やたらと種類が多いテッポウエビ類でも、ハゼと一緒に暮らしているとか、ウミシダやウニで観られるとか、特徴的な色や形をしているということであれば人の目にもつきやすいし、写真を撮りたがるヒトも多いはず。

 でも死サンゴ石がゴロゴロ転がるような浅い海底で人知れず暮らしているものたちとなると、「テッポウエビね…」でスルーされていることが多くなるのだ。

 そのほとんどが地味地味ジミーだから、ということも大きな理由なのだろう。

 浅いところにいるものについては標本採集がしやすいこともあってか、アカデミズムの分野では我々シロウトが知っているよりも遥かに多様な種類が知られているとは思うのだけど、いかんせん一般変態社会(?)にさほどの需要がないために、一般向け図鑑や変態社会サイト上に掲載されることがほとんどない。

 そのため3番のように浅いガレ場でチョロチョロしていてわりと色味があるものであっても、ビンゴ!を見つける難易度は高く、これまた正体不明だ。

 ところで、まったく別の時に、↓こういうエビにも出会った。

 卵を抱えているメスのエビで、頭から尾までのフォルムはテッポウエビっぽいけど、ハサミ脚はぜんぜんらしくない。

 でも色味は3番のエビにそっくりなように見えるから、3番のメスなのかな…と思いかけたものの、テッポウエビってオスメスでハサミの大きさは変わらないんですよね?

 となるとまったくの別人28号?

 たとえテッポウエビじゃないとしても、お手上げということに変わりはないけど…。

 顔つき体つきはそれっぽくてもハサミ脚がらしくないといえば、卵を抱えた↓この小さなエビちゃんも。

 けっこう可愛くてきれいなエビとは思うのだけど、なにしろ住所不定無職(?)だからあまり注目されないのか、これまたビンゴ!な画像を見つけられない。

 4番は、ウミシダの触手上で観られた小さな小さなエビちゃんだ。

 ここで紹介している他のテッポウエビたちと違い、宿主に執着しているっぽい感じではあったものの、これがオトナなのかまだチビチビなのかが不明だし、そもそもこのエビははたしてホントにテッポウエビなのだろうか。

 顔つきがテッポウエビっぽいからここで紹介しているわけだけど、もしテッポウエビなら、ハクセンコマチテッポウエビのチビかも?

 …と思いきや、これとそっくりなエビがトサカの上にペアでいるのを撮っていた私。

 ひょっとしたらトゲトサカテッポウエビのチビだったりするのだろうか?

 気になる姿を別枠にて紹介しておくことにした。

 このテのナゾは、沖縄県が誇るエビカニ大家F博士に訊くのが最も手っ取り早いのだけど、あいにくコロナ禍が続いて毎年恒例の飲み会が開かれず、会う機会がなくて困っていたりする。

 これもまたコロナ禍?